再教育の必要

東京のりそな銀行で所謂「バカッター」事件が起こり*1 、それを論じた三上洋「りそな銀行の関係者が顧客情報をツイート。「バカッター」の過去事件と原因」という記事で*2、某引っ越し業者が某女優の部屋を盗撮して、それがネットに流出して、さらに『フライデー』の手に渡ったということを知る。その引っ越し業者というのは「アリさんマーク」で知られる「引越社」。
それで、盗撮された女優は誰だということで盛り上がっているらしいけれど*3、それはどうでもよろしい(誰であっても、被害者にとっては、ふざけるなよということになるのだけれど)。
この事件には少なくとも3つの〈悪の主体〉がいる‥先ずは盗撮した引っ越し屋の従業員。こいつが友人に盗撮した写真をLINEで送った。そして、写真を受け取って、『フライデー』の取材に答えている「元アルバイト」。そして、ほかならぬ『フライデー』。引っ越し屋の従業員を庇うつもりは全然ないが、こいつはたんに軽率であっただけで、クライアントや顧客の話で仕事の同僚とのトークが盛り上がるというのはよくある話だろう。給湯室トークとか喫煙室トーク。問題なのは、それが外に漏れてしまったということ。それを洩らしたのは写真を受け取った奴。ここで、悪のステージが1つ上がる。そして、最も罪が重いのが『フライデー』。盗撮写真を紙の雑誌やウェブ記事に貼り付けて大々的に拡散させた。写真を受け取った奴が問題をプライヴェートからパブリックの準位に移してしまったとするなら、『フライデー』は問題をメジャー化したといえるか。
『フライデー』は「失った信頼を回復するには、働きアリのように汗を流し続けるしかない」とか宣っているのだが*4、そんなの、「アリさんマーク」でも誰でも、てめぇなんかには言われたくないよ、死ね、ゴミ! と言われてしまうんじゃないのか。何しろ、被害者のプライヴァシー侵害への寄与度がいちばん大きいわけだけど。ところで、そもそも『フライデー』といえば盗撮のプロだよ。それが、素人が流出させた写真を乞食みたいに拾うという醜態を晒している。盗撮のプロとしての、盗人としての矜持は何処へ行ったのか。『フライデー』にはやはり内規が必要だ。1年に1回はたけし軍団による再教育を受けるという。

*1:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150610/1433903582

*2:http://bylines.news.yahoo.co.jp/mikamiyoh/20150609-00046460/

*3:See eg. 「アリさんマークに隠し撮りされた芸能人は誰なのかとネットで話題に…モラルの無さに驚き」http://gattcha.com/?p=864

*4:URL等は『フライデー』の犯罪に加担してしまうリスクがあるのでリンクしない。