口座開設拒否

承前*1

『ハフィントン・ポスト』の記事;


沼津信金、「イスラム」名前に入った団体の口座開設を断る
The Huffington Post
投稿日: 2015年03月01日 10時37分 JST 更新: 2015年03月01日 10時40分 JST


静岡県の金融機関、沼津信用金庫が、「イスラム」と名前の入った団体の口座開設を断っていることがわかった。3月1日、朝日新聞デジタルが報じた*2。2月24日に御殿場市にある沼津信金上町支店に口座を開設しようと電話で相談したところ、「イスラムという名前が入った団体では口座は開けない」と言われたという。


支店長は朝日新聞の取材に「過剰だと思われるかもしれないが、(ISの事件で)イスラムに対する悪いイメージもあり、慎重にならざるをえなかった」と説明。支店の判断は沼津信金本部も了承したという。

 本部経営企画部リスク統括課長は取材に「将来、イスラムの教えから逸脱した組織などに、口座から資金が流れる疑義がまったくないとは言えないことなどを総合的に判断した」と答えた。

(団体名に「イスラム」、口座開けず 沼津信金が拒否:朝日新聞デジタル 2015/03/01 07:45)*3

1月、日本人人質殺害事件を起こした過激派組織ダーイシュについて、「イスラム国」という呼称を用いるのは、イスラム教徒への偏見の原因になると指摘されていた。


もし書かれている事実のとおりであれば(これ以外の背景事情などなければ)、信用金庫の対応はとんでもないことだと思う。 / “団体名に「イスラム」、口座開けず 沼津信金が拒否:朝日新聞デジタルhttp://t.co/5P9rjuriSm

― 弁護士小川義龍 (@ogawalaw) February 28, 2015*4


こういう理不尽なことが起こりうるからNHKを初めマスコミはISIS等他の名称にもっと早くに変更すべきだった。>団体名に「イスラム」、口座開けず 沼津信金が拒否 - 朝日新聞デジタル http://t.co/WfwK3Swn9U

森戸やすみ (@jasminjoy) March 1, 2015*5

http://www.huffingtonpost.jp/2015/02/28/numazu-shinkin_n_6776940.html
  
『朝日』の記事の方からちょっと補足;

静岡県御殿場市の男性が、自ら立ち上げた任意団体「日本イスラーム圏友好協会」名義で沼津信用金庫(本店・静岡県沼津市)に口座を開設しようとしたところ、団体名に「イスラム」が含まれることを理由に断られた。男性は「『イスラムは怖い』という偏見そのもの」と話している。

 男性は斉藤力二朗さん(66)。エジプトのカイロ大卒で、中東系銀行の日本勤務のほか、日本の大学でアラビア語講師などを務めた。その後、10年前からイスラム圏の政治情勢や事件などについて、自らのブログなどに書いてきた。

 過激派組織「イスラム国」(IS)が日本人を殺害したとみられる事件が起き、その影響で「イスラムは怖い」という偏見が日本に広がっていると感じた。「正しい情報を発信したい」と1月に協会を設立。メールマガジン発行や講演会開催といった活動を始めるにあたり、資金管理用の口座を作ろうと、2月24日に沼津信金上町支店(御殿場市)に電話で相談すると、職員から「イスラムという名前が入った団体では口座は開けない」と言われたという。
長尾大生「団体名に「イスラム」、口座開けず 沼津信金が拒否」http://www.asahi.com/articles/ASH2V64S9H2VUTPB01Q.html

こういうことが起こるのは「イスラム国」という名称を使い続けるマスコミが悪いという意見あり。例えば、上の『ハフィントン・ポスト』が引用する森戸やすみという方もそうだ。勿論、トヨタに配慮したのかどうか知らないが、(略グローバル・スタンダードである)ISISを避けて「イスラム国」に拘るマスコミがおかしいということはいうまでもない。また、最終的且つ最大の責任はこの沼津信用金庫*6にあるわけだが、安倍晋三及び日本政府も幾分かは責任を引き受けなければならないと思う。ISISによる湯川・後藤両氏虐殺事件への対応において、ムスリムへのバックラッシュを防ぐための配慮が殆ど感じられなかったからだ。
See also
「「団体名に『イスラム』が含まれていると口座開設出来ません」沼津信用金庫の判断にネット民絶句【追記あり】」http://www.buzznews.jp/?p=1293200


ところで、「イスラム国」という名称に関する『ハフィントン・ポスト』の方針*7が載っていた;


ハフポスト日本版編集部では、「イスラム国」、ISIS、ISIL、ダーイシュなどと呼ばれている過激派組織について、
1. 編集部が作成する記事には、当面「ダーイシュ」の表記を用います。
2. ただし現在、「イスラム国」という用語の認知度が高いことから、当面「イスラム国」を併記します。
3. 他社から配信された記事とブログ記事については、原文のままの表記とします。
4. ソーシャルメディアへの投稿についても1〜3に準じます。