木田元先生が亡くなっていたこと

偶々「「闇屋になりそこねた哲学者」を読んでお勉強したくなった」というblogエントリーをブラウジングして*1木田元先生*2が亡くなっていたことに気づいた。それによって惹起された心の動揺はまだ収まっていない。
亡くなったのは8月16日だったのね。『ハフィントン・ポスト』の記事;


木田元さんが85歳で死去 ハイデガー研究の第一人者
The Huffington Post
投稿日: 2014年08月17日 18時04分 JST 更新: 2014年08月17日 18時04分 JST


中央大学名誉教授で哲学者の木田元(きだ・げん)さんが、8月16日に肺炎のために死去した。木田さんは20世紀のドイツの哲学者、ハイデガー研究の第一人者と知られている。時事ドットコムなどが報じた。


木田 元氏(きだ・げん=哲学者、中央大名誉教授)16日午後5時33分、肺炎のため千葉県船橋市の病院で死去、85歳。山形県出身。葬儀は20日午前10時半から船橋市習志野台2の12の30の古谷式典北習志野斎苑で。喪主は妻美代子(みよこ)さん。

時事ドットコム木田元氏死去(哲学者、中央大名誉教授)」*3より 2014/08/17 14:23)

木田さんは満州で育ち、終戦直後には米の闇販売で稼いだ資金で進学するなど、学者としては異色の経歴の持ち主だった。朝日新聞デジタルは以下のように報じている。

「闇屋になりそこねた哲学者」という著書があるように、学者としては異色の経歴の持ち主。山形県に生まれ、旧満州中国東北部)で育った。敗戦後、故郷で代用教員時代に米の闇屋で稼いだ資金を学資に農林専門学校に入学。そこでハイデガーの本と出合い、哲学を専門とすることを志し、東北大に進んだ。

朝日新聞デジタル「哲学者の木田元さん死去 ハイデガー研究の第一人者」*4より 2014/08/17 16:26)

主な著作に「現象学」(岩波新書)、「ハイデガー存在と時間』の構築」(岩波現代文庫)、「哲学は人生の役に立つのか」(PHP新書)など。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/17/kida-gen_n_5685319.html
現象学 (岩波新書 青版 C-11)

現象学 (岩波新書 青版 C-11)

木田先生の学恩を受けているのは中央大学関係者の方々のみではあるまい。例えば岩波新書の『現象学』、或いはフッサールの『危機』の翻訳を通じて、団塊の世代よりも下の〈文系〉の人間で、その学恩を受けていない者はいない筈だと断言できるだろう。
ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学

ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学

中央大学文学部では、「【追悼】木田元先生」という頁をつくり、そこに須田朗氏の「木田元先生を送る」という1998年のテクストを再録している*5
また、木田先生の死に言及したblogエントリーで、偶々目に触れたのは、


http://ameblo.jp/owltreerayco/entry-11912894374.html
http://blog.goo.ne.jp/mektol3791/e/3075bf2620e2a69a90744be92b820528


上の方は中央大学哲学科にかつて学ばれた人であるという。