3歳の「東京オリンピック」(メモ)

上原昌弘*1「1964年に読まれていた本」『いける本・いけない本』19、pp.26-27、2013


1964年の「東京オリンピック*2のとき、上原氏は「三歳」だったという。因みに俺は4歳。
曰く、


日曜劇場の放映は春であった。私の誕生日の五月のちょっと前。その年は秋が早くて、私は十月にはセーターを着ていた。東京オリンピックの気配など何も感じなかった。新幹線の記事が出たときは興奮したが、板橋区志村坂上の団地には無縁の情報だった。映りの悪い白黒テレビの画面でオリンピックの開会式とやらを見たが、ただの行列の何が面白いのか理解できなかった。あまりに退屈ですぐに消してしまった記憶がある。女子バレーを見たが、映るのはもっぱらキャプテンの河西昌枝。彼女のヘアスタイルは、母親の髪型と同じだった。あの当時はみんな、ああいうヘアスタイルだった。二十代の女性も、今見ると「お母さん」のようだ。私の前の五輪の、最も鮮明な記憶である。(p.26)
俺は「東京オリンピック」を初めとして、1964年のことは全く忘却しているのだった。
ところで、1964年のベストセラーは、


1位 河野実、大島みち子『愛と死をみつめて』(大和書房)
2位 山岡荘八徳川家康』(講談社
3位 サトウハチロー『おかあさん』(オリオン社


1963年は、


1位 山岡荘八徳川家康』(講談社
2位 占部都美『危ない会社』(カッパビジネス)
3位 謝国権『性生活の知恵』(池田書店*3


1965年は、


1位 池田大作『人間革命(1)』(聖教新聞社
2位 大松博文『なせば成る!』(講談社
3位  大松博文『おれについてこい!』(講談社*4