「アンネ」

時事通信の記事;


昨年5月以降、相次ぎ破損か=「アンネの日記」被害―警視庁

時事通信 2月22日(土)15時2分配信


 東京都内の公立図書館で「アンネの日記」などユダヤ人迫害の関連書籍が相次いで破られた事件で、一部の被害が昨年5月以降発生していたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。何者かが長期間にわたって破損を繰り返していた可能性があり、警視庁は動機や犯人像の特定を急いでいる。
 この事件では、杉並区や中野区、東久留米市など都内数十カ所の図書館で、少なくとも250冊以上が被害に遭っていたことが分かっている。
 同庁がさかのぼって調べたところ、昨年5月の時点で既に破損が確認されていた図書館があることが判明。破られた後、元通り整然と書架に戻され、長期間被害が発覚しなかった本も多いとみられる。同庁は館内の防犯カメラに不審な人物が写っていないか解析を進めるなど、器物損壊事件として捜査している。
 関係者によると、被害は今年1月下旬に練馬区内の図書館で、アンネの日記数冊が破られているのが見つかったことをきっかけに次々と発覚。各図書館は警視庁に対し順次被害届を提出している。
 事件は国外でも波紋を呼んでおり、米ユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(カリフォルニア州ロサンゼルス)は事件について声明を出し、「ショックと深い懸念」を表明。「偏見と憎悪が染みついた人だけがアンネの勇気や希望、愛にあふれる歴史的な言葉を破壊しようとする」などと指摘し、「日本の当局がこの犯人を特定し、対処するよう求める」としている。 

最終更新:2月22日(土)15時2分

時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140222-00000095-jij-soci

国外での反応に言及した記事としては、例えば


「『アンネの日記』が破損:日本人とアンネ・フランクの関係とは?」http://newclassic.jp/archives/8739
聖治54「『アンネの日記』事件は、海外での方が問題視されていた」http://matome.naver.jp/odai/2139313416232923901


犯人も捕まっておらず、単独犯なのかどうか、またその動機、さらには思想的・組織的背景もわかってはいないのだが、不気味なことだ。例えば〈ユダヤ陰謀理論*1とかがこれだけ蔓延している以上、反ユダヤ主義的な動機に基づいているという可能性も大いにあるとは思う。
さて、レイシズムの脅威を前にして不謹慎だとおっしゃる方もいるかも知れないが、「アンネ」ということで別の想像をする人も多い筈だ。 と思ったのだが、どうも女性の生理(月経)のことを「アンネ」と言うのはもう「年配」の人であって、既に若者にとっては語源も不明な死語になっているらしいのだ*2。そういえば、「アンネ」という会社も1993年になくなっているのだった*3。これじゃ、平成生まれにわかる筈はない。
See also
「生理をアンネと呼んだ理由とは」http://nunonapu.chu.jp/naplog/annenapkin4.html
「「アンネの日」に込められた情熱。「生理」を解放せよ!」http://d.hatena.ne.jp/usausa1975/20120122/p1

また、鷲田清一『ことばの顔』*4も。

ことばの顔 (中公文庫)

ことばの顔 (中公文庫)