父親逝きて

12月10日の午前、父親が昏睡状態という報せを受け、急遽病院へ向かった。病室のベッドに横たわった父はともかく呼吸をしている。「生は息なり(Life is breathing)」(Kate Bush)とは真実なのだということを実感する。看護師さんによると、朝起きたときは話もできたので、意識を失ったのはほんとうに急のことだったという。ともかく、脈拍や心拍数は徐々に数値が下がっていく。そして、正午ちょうどに臨終。まるで、飛行機が着陸態勢に入って徐々に高度を下げていくみたいな感じだった。あっけないな、人が死ぬというのは、というのが感想。そう、今書いている時点で、父親は既に灰になっているのだった。
この文章を読む多くの人にとって、こうした話は関係ない話なのかも知れない。しかし、読んでしまったのも他生の縁と考え、回向の念仏一遍でも唱えていただければありがたきことなり。