或る信者の死

『毎日』の記事;


訃報:佐藤勝巳さん84歳=救う会元会長

毎日新聞 2013年12月07日 19時12分(最終更新 12月07日 19時35分)


 佐藤勝巳さん84歳(さとう・かつみ=北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会救う会>元会長)2日、肺炎のため死去。葬儀は近親者で営んだ。後日お別れの会を開く予定。喪主は長男力(ちから)さん。

 現代コリア研究所所長として、朝鮮半島情勢を論評。拉致被害者家族を支援するため1998年に発足した「救う会」の会長を2008年まで務めた。
http://mainichi.jp/select/news/20131208k0000m060021000c.html

この記事から、北朝鮮信者だった佐藤氏の人生の前半は見えてこない。その後は一転して反北朝鮮の立場に転じたわけだが、氏にとって、北朝鮮は信仰の対象や憎悪の対象であったことはあっても、たんに客観的に存在している他者というか他国であったことはなかったことになる。佐藤氏の軌跡については、例えば太田昌国『「拉致」異論』とか。
「拉致」異論―日朝関係をどう考えるか (河出文庫)

「拉致」異論―日朝関係をどう考えるか (河出文庫)

さて、佐藤氏のかつての信仰対象だった北朝鮮だが、張成沢の粛清は確実なようだ。日本語訳や英訳を通しても、その張成沢を悪魔化せんとするお下劣なレトリックは充分に愉しむことができた。ところで、この張成沢ってアントニオ猪木がコネクションを持っていた人物だよね。結果的に懲罰を喰らった11月の北朝鮮旅行*1で会見していた人物;

猪木議員帰国…張成沢氏と拉致問題で意見交換


北朝鮮を訪問していた日本維新の会アントニオ猪木参院議員が7日夜、帰国した。

 猪木氏は羽田空港で記者団に、金正恩第1書記の叔父の張成沢・国防委員会副委員長と会談したことを明らかにしたうえで、「張氏から『国会議員団の派遣があれば喜んで受けいれる』と伝えられた」と語った。拉致問題についても意見交換したという。

 参院の許可がないまま海外渡航したことについては、「非は非として受け止めるが、私の政治活動に障害が起きない方向にしてほしい」と述べた。参院議院運営委員会は近く、猪木氏から事情聴取して処分について検討する方針だ。
(2013年11月7日22時46分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131107-OYT1T01225.htm


アントニオ猪木氏、張成沢氏と会談
J-CASTニュース11月7日(木)12時54分

北朝鮮を訪問中のアントニオ猪木参院議員は2013年11月6日、張成沢国防委副委員長と会談した。国営朝鮮中央通信が伝えた。張氏は金正恩第1書記のおじにあたり、「後見人」だとされる。会談の内容は明らかになっていない。


日本体育大学松浪健四郎理事長も同席した。猪木氏は13年7月の訪朝でも張氏と会談している。
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1107/jc_131107_6357537149.html

See also


Reuters “Kim Jong-un's uncle believed to have been ousted” http://www.theguardian.com/world/2013/dec/03/kim-jong-un-uncle-north-korea
Tania Branigan “North Korea's Kim Jong-un purges his uncle in spectacularly public fashion” http://www.theguardian.com/world/2013/dec/09/north-korea-kim-jong-un-purges-uncle