恥ずかしい者同士?

「多額の出資金を集めて経営破綻(はたん)した安愚楽牧場(本社・栃木県)*1をめぐり、民主党海江田万里代表*2が経済評論家時代に書いた雑誌記事などをきっかけに出資して損害を被ったとして、出資者30人が18日、海江田氏に対して約6億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした」という*3
まあ切り込み隊長(やまもといちろう)は昨年末の代表就任直後に「海江田万里さん、和牛商法被害者から代表就任歓迎の面白声明を出される 」というエントリーを書いており*4、「全国安愚楽牧場被害対策弁護団*5は「戦後最大の消費者被害事件とも言うべき安愚楽牧場の事件に関わりながら,その甚大な被害に対して誠実に対応しようとしない人物が,野党第一党として,現政権と対峙する立場の政党の党首として選任されたことについて,当弁護団は深く憂慮しています」という代表就任祝賀声明(?)を出しているのだった*6
さて、『朝日』は勝間和代*7のコメントを掲載しているという;


かつての海江田氏と同じ経済評論家の勝間和代さんは「海江田氏が紹介していたようなリスクゼロ、ハイリターンの金融商品を作れたらノーベル経済賞もの」と指摘する。「それは20年前でも同じ。知識不足だったと言わざるを得ない。記事については率直にわびるべきです」
一応ごもっともといえる。ただ「知識不足」かどうかはあまり関係ないだろう。「リスクゼロ、ハイリターンの金融商品」がかなり困難であることは、「リスク」という言葉の意味に関わることであり、別に金融や経済の知識がなくても、常識を辨えた大人であれば、わかるだろう。つまり大人は海江田だろうが『カイエ・デュ・シネマ』だろうが、いくら「断定的に推奨」したからといって、「リスクゼロ」などということを信じてはいけない。ということで、訴えた方も訴えられた方も〈恥ずかしい者〉同士なんじゃないかという感じがした。本格的に訴訟になっても、双方とも傷口を拡げるだけというか、恥の上塗りを重ねるだけなのではないだろうか。
勿論(勝間和代が言うように)海江田は過去の恥ずかしい言説について「率直にわびるべき」だろう。そして被害者に(勿論黒毛和牛の!)ノーパンしゃぶしゃぶをおごるべきだと落ちをつけようとしたのだが、ノーパンしゃぶしゃぶって今も存在しているのかどうかは知らないのだった。