アドヴァイスはなかった?

女子柔道ナショナル・ティームの選手が園田隆二監督の暴力とパワー・ハラスメントを告発し、園田隆二の監督辞任に発展した件について、谷亮子*1が園田を庇って、「園田監督は人間性の素晴らしい立派な監督で、私自身の現役生活では(暴力を受けた経験は)一切なかった」と述べたという*2。それに対して、「谷亮子よ、後輩たちの決死の告発をいかに聞く」と怒られてもいるのだが*3。でも騒動が表面化して以来、谷は園田に会ってはいないのだろう。また園田の記者会見を見た限りでは、記者会見で


一兵卒になります


と言えば、意外な人たちから支持されるよというアドヴァイスもなかったようだ。
さて、同じく柔道家でありながら、谷亮子とは対極的な人として語られるのは、暴力を告発した選手を一貫してサポートし続けている山口香である。その意見は『毎日』のインタヴューに詳しい*4。山口さんは例えば、


(前略)私が全柔連と激しくやり合うのを見る中で、彼女たちは変わってきました。他人でもこんなに怒るんだ、と。特定の選手が見せしめのように殴られ、空気が張り詰め、周囲の選手も見ているだけ。ビクビクして監督の顔色をうかがう。ある選手は「我慢しなくてはいけない、文句を言ってはいけないと、まひしていました」と言いました。そして、告発を決断したのです。

欧州ではスポーツで何を学んでいるかといえば、自律です。やらされるとか、指導者が見ている、見ていないとかではなく、ルールは自分の中にあります。ゴルフがいい例で、スコアはセルフジャッジ。ラグビーやテニスも近くに監督はいません。自律と自立を併せ持つ人づくりにスポーツが有用とされており、それこそ成熟したスポーツと言えます。