桜の園の蓮實重彦

J-CASTニュースの記事;

元東大総長がCMに出演 山形サクランボの魅力に「抵抗できない」
2012/7/ 9 18:33


元東京大総長の仏文学者、蓮實重彦氏(76)がサクランボの広告に登場している。東大総長経験者がCMに出るのは極めて珍しい。山形県の農園で作られたサクランボの魅力に対し「抵抗できない」など賞賛の声を送っている。

蓮實氏は近代仏文学の第一人者として知られる一方で、映画評論家として「映画狂人」シリーズなど、数々の著作を執筆。後の映画評論に大きな影響を与えた。1997年から2001年まで東大総長を務め、現在は東大名誉教授となっている。


高級サクランボとともに蓮實氏の写真掲載
アカデミズムや評論の世界で広く知られている人物だが、そんな蓮實氏がサクランボの広告に登場している。

山形県中部、東村山郡山辺町にある「多田農園」のサイトに2012年春にアップされたもので、桐の箱に詰められた真っ赤な高級サクランボと蓮實氏の写真を掲載。蓮實氏が、2003年6月に山辺町を初めて訪れたときのことを文章で振り返っている。

蓮實氏は多田農園のサクランボに出会うまで、国産のサクランボに対して「ある種の『抵抗』」を感じていた。フランスなどでは、サクランボは季節になると市場に大量に積まれるほどポピュラーな果物だが、日本では「高級品」というのが気になっていたのだという。

しかし、多田農園でサクランボを口に入れた瞬間、印象が変わったといい、「その味、多田さんのサクランボは自然を相手に周到に準備されたまぎれもない『作品』だったからだ。以来、私は多田さんのサクランボの魅力に抵抗できない」としている。
http://www.j-cast.com/2012/07/09138724.html


「文藝春秋」にも広告掲載、ノーギャラで出演OK

元東大総長がサクランボに「抵抗できない」という、少し変わった広告だが、一体どういった経緯でできたものなのだろうか。

多田農園を経営する多田耕太郎さんによると、2003年に蓮實氏が田辺町に講演に訪れた際、農園に立ち寄った。多田さんの作るサクランボをとても気に入り、以来、毎年多田農園のサクランボを注文しているのだという。

多田農園は「山形セレクション」にも認定された県内では有名なサクランボ農園で2010年に山形新聞が、農業特集記事で蓮實氏に取材。そこで話した内容をまとめたのが上記の文章だという。2012年春には、「文藝春秋」山形新聞に蓮實氏の登場する広告を出稿した。蓮實氏は多田さんがそれまでリンゴなどを贈り物として送っていたこともあり、ノーギャラで広告化をOKしてくれたという。

蓮實氏は毎年サクランボの感想をファックスや手紙で送ってくれるといい、

「以前、蓮實先生が知り合いのドイツ人の建築家にうちのサクランボを食べさせたところ、その方が『サクランボの概念が覆された』と話したそうです。先生自身も鼻が高かったと手紙に書いていました。これまで農園を訪れた多くの方にサクランボの説明をしてきたのですが、先生のようにきちんと言葉で返してくれる方は中々いませんね」

と多田さんは話している。独文学者の池内紀さん(71)や、ジャーナリストの岸井成格さん(67)らも多田農園のサクランボを気に入ってくれているということだ。

蓮實氏の広告は一部ネットでも話題になっていて、ツイッターでは「蓮實重彦先生も抵抗できない魅力を持ったさくらんぼ」「檄文調じゃないんですね」といった声が挙がっていた。
http://www.j-cast.com/2012/07/09138724.html?p=2

この記事のタイトルはちょっとミスリーディング。新聞や雑誌などの広告をふつう「CM」とはいわないだろう。蓮實重彦先生*1侯孝賢の『珈琲時光*2に出演はしているものの、公開されたときにはその出演シーンはカットされてしまったので、やっとムーヴィ・デビューかと思ったのだ。しかし普通の新聞・雑誌広告じゃん*3。でも、「に抵抗できない」というフレーズは今後流行るんじゃないかしら。少なくとも俺は使う。さて蓮實重彦って20年前の写真の方が年寄りくさく見えるのはどういうわけなのだろうか。
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子どもの頃、「さくらんぼう」というのは缶詰のものしか食べたことがなかった。米国からアメリカン・チェリーが輸入されるようになったのは1970年代半ば頃からだろうか。俺が初めて生で「さくらんぼう」を食べたのは高校生のときで、それはアメリカン・チェリーだった。
英語のcherryには処女(童貞)という意味がある。ランナウェイズのデビュー曲は”Cherry Bomb”だったわけだが、日本にもチェリー・ボーイズというロカビリー・バンド(?)があったな。