冷房効果、但し弱冷

Bossa Nova Around the World

Bossa Nova Around the World

Putumayo*1Bossa Nova Around the World
冷房効果のある音楽といえばやはりボサ・ノヴァだねというと、発想がちょっと陳腐すぎる。それはさて措き、このコンピレーション盤に収録されたアーティストの〈国籍〉を見ると、ボサ・ノヴァの母国である伯剌西爾のほかに、仏蘭西、カナダ、カボ・ヴェルデ*2葡萄牙、独逸、墨西哥セルビア、諾威、米国、英国、韓国に亙っていて、まさにBossa Nova Around the Worldである。Miaが歌う”Jardin d'hiver”はそもそもイスラエル仏蘭西人(仏蘭西在住のイスラエル人?)のシンガーKeren Annが作詞作曲したもの。あと馴染みのあるアーティストによるものとしては、Stacey Kent*3が夫でありサックス奏者であるJim Tomlinsonと一緒の名義でMarcos Valle(英語の歌詞はNorman Gimbel)の”So Nice”を歌っている。韓国のMonlaというシンガー・ソングライターの”Railroal”という曲が収録されているけど、彼女のことは知らなかった。まあTV局に抗議するためにお台場で「散歩」するような連中にとっては*4彼女の名前は自明なことなのだろう(嘲笑)。
以前坂本龍一が中華料理屋でボサ・ノヴァをかけるなというようなことを言っていたのだが*5、その是非はともかくとして、中国語(マンダリンや広東語)がボサ・ノヴァに合うのかどうかという問題はあるだろう。ボサ・ノヴァの言語というと、先ず何よりも葡萄牙語、次いで仏蘭西語という感じは持っているのだが、Monlaの歌う韓国語もなかなかよく、Hilde Hefteはアントニオ・カルロス・ジョビンの”Corvacado”を諾威語で歌っていて、これもなかなかよかった。