鷲田清一『ことばの顔』

承前*1

ことばの顔 (中公文庫)

ことばの顔 (中公文庫)

鷲田清一『ことばの顔』について取り敢えずちょこっとメモ。


前口上 きりんのつぶやき


I 名文句を読む
二重性――パスカル
他者の他者――キェルケゴール
モードの倫理――ベンヤミン
身体の常識――ジェイムズ
不安定なさなぎ――ニザン
固有なもの――デカルト
じぶんを解く――ボードレール
幸福と幸運――寺山修司
偶然――九鬼周造
皮膜で隔てられて――セール
寂しい時代――村上龍
空語――荒川洋治
中途半端――ボルハルト(アドルノ


II いま、ことばの感触
パート1

そういうことにしておけば
いい感じ
ディスコミュニケーション
きれい
プリクラ

イニシエーション
中年クライシス
老人の猥談
プルルル
ケータイラップ
地球はやさしい
Eメール
伝達不能
ないということを大切にしたい


パート2

ふたりっ子
クローン人間
ヴァーチャル・ペット
悪魔の生体実験
リセット・ボタン
Shall we ダンス?
あと千回の晩飯
心がツルン
古着
思い出
援助交際は売春です
ボディ・レンタル
転写グッズ
カイワレ人間
キレる
ソッコー
なんか


III 遊びをせんとや…――世紀末のキーワード〈荻野アンナ氏との対談〉
捨てる
感じる
思い出す
切れる
賭ける
開く
返す
楽しむ
試みる


IV モード死語辞典――こんなのあったの?
トランジスタ・グラマー
パンツ
ピンナップ
TPO
藤武
ステテコ
ヤング
ボイン
モード履き
文化住宅
アンネ
イカ


V 思考と言葉
思考と言葉
哲学と言葉
ことばの顔
言葉を呑み込む
口の幸福
聴くのはむずかしい
分からないこと


ふろく しんみり、どっきり
モーツァルトにはじまりショパンに終わる
しわだらけの手拭い
ボディコンの部屋
ワープロの深層心理
優雅な忘れもの
奇人たちの宿
職業を超える職業?
いいかげん
一度は酒にもソロをとらせてやりたいのだけれど
自分らしくなくなろう
マイ・アトラス


あとがき
文庫版あとがき
初出一覧

鷲田先生の1990年代後半のエッセイを纏めたもの。或る哲学者がこの時代の世相をどう観察していたのかというドキュメントではあるけれど、勿論それに還元されることはできない。内容としては、同時期の著作、例えば『顔の現象学』、『じぶん・この不思議な存在』*2、『悲鳴をあげる身体』などと重なるところがあるか(当然だけれど)。
顔の現象学 (講談社学術文庫)

顔の現象学 (講談社学術文庫)

じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)

じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)

悲鳴をあげる身体 (PHP新書)

悲鳴をあげる身体 (PHP新書)

数日前に金文京『漢文と東アジア』*3を読了。
漢文と東アジア――訓読の文化圏 (岩波新書)

漢文と東アジア――訓読の文化圏 (岩波新書)