〈性夜〉は正しい?

新書479学問の春 (平凡社新書)

新書479学問の春 (平凡社新書)

承前*1

「グローバルな範囲で、中華圏やイスラーム圏も含めて、脱基督教化された消費のお祭りとしてクリスマスが享受されるようになる過程が重要なんじゃないかと思う」と書いたのだが、もっと普遍的な視点、つまり冬至前後の宇宙のエネルギーの弱体化に対する宗教的反応、弱体化した宇宙に刺戟を注入して活性化することという観点で見れば、〈聖夜〉から〈性夜〉へという移行は却って正しいのではないかと思った。
山口昌男『学問の春』(第六講)に曰く、


太陽の力が最も弱まる冬至の時期には、人間界の生死のバランスが崩れて死者の霊魂がこの世に最も増殖するという信仰が世界各地にある。したがってこの季節には太陽の復活を願ったり、来訪する霊魂を歓待する各種の祭が行われます。(p.153)
山口先生は、古代中国の「八蜡」、米国先住民における「ポトラッチ」、日本の「霜月祭*2を挙げている。また、アマテラスの天岩戸の物語*3冬至における太陽の死と復活の神話として解釈している(pp.153-155)。
ところで、クリスマスに〈リア充〉できなかった人もあきらめるのはまだ早い。「十二夜」(Twelfth Night)、つまり「顕現日(Epiphany)」の前夜がある! 「十二夜」といえばやはりシェークスピアの『十二夜』(See pp.155-156)。
十二夜 (白水Uブックス (22))

十二夜 (白水Uブックス (22))

THE ASSOCIATED PRESS “Teena Marie, ‘Ivory Queen of Soul,’ Dies at 54” http://www.nytimes.com/aponline/2010/12/26/arts/AP-US-Obit-Teena-Marie.html
BEN SISARIO “Teena Marie, 1980s R&B Hitmaker, Dies at 54” http://www.nytimes.com/2010/12/28/arts/music/28marie.html


ティーナ・マリーさん逝く。これも季節のせいだろうか。