黄華

DAVID BARBOZA “Huang Hua, 97, a Diplomat Who Served China, Dies” http://www.nytimes.com/2010/11/25/world/asia/25huang.html


中国の外交部長、副総理を務めた黄華氏が北京で逝去。享年97歳*1
外交官としての黄氏の生涯は中国外交そのものを体現していたとも言える。1950年代には朝鮮戦争停戦交渉に関わり、1970年代にはニクソン訪中を巡るキッシンジャーとの秘密交渉、日中平和条約締結、米中国交回復を取りしきり、1980年代には香港返還を巡るマーガレット・サッチャーとの交渉を取りしきった。
NYTの記事では、米国人ジャーナリスト、エドガー・スノウとの関係が詳述されている。北京の燕京大学(現在の清華大学)在学中にエドガー・スノウと知り合い、スノウの中国取材に通訳として同行し、毛沢東へのインタヴューでも通訳を務めた。駐埃及大使を務めていたため、文革の初期においては迫害を免れた。1969年に帰国後、農村に追放されるが、1970年のエドガー・スノウ訪中をきっかけに北京に呼び戻され、通訳を務めた。また、このときのスノウとの会見の中で毛沢東が米国と縒りを戻し、ニクソンを中国に招待したいと仄めかしたことがホワイト・ハウス筋に伝わり、ニクソン訪中に繋がった。スノウ訪中後に、黄氏は駐カナダ大使、さらには国連大使に任命され、紐育でキッシンジャーと秘密交渉を行っている。

*1:中国の報道では98歳。『東方早報』2010年11月25日