台湾と張愛玲(メモ)

石剣峰「她的幽霊不断回来」『東方早報』2010年9月30日


9月30日は1920年9月30日に張愛玲*1が誕生してからちょうど90年目。
香港ではその前日に記念のシンポジウム『伝奇・性別。系譜』が開催された。その中で、陳芳明氏が語る台湾における張愛玲受容史が興味深かったので、少しメモ。1960年代における張愛玲の台湾への紹介は、胡適などの「自由主義者」の力が大きかった。1970年代になると、「保釣事件」後に「「左」派」による張愛玲批判が活発化し、批判書はどれもベストセラーになったが、張愛玲はバッシングされることによって逆に「名声」を高めていった。朱天文らを介して若手作家への張愛玲が強まるのは1980年代以降。

張愛玲は胡適について、1968年に「憶胡適之」というテクストを発表しており、その中で1955年の往復書簡が全文引用されている(『重訪辺城』*2に再録。pp.14-25)。