お達しではなかった

承前*1

http://d.hatena.ne.jp/tonmanaangler/20100817/1282024378


「患者さま」という言い方は厚生労働省のお達しではなかった。厚労省の「国立病院等における医療サービスの質の向上に関する指針」では「患者の呼称の際、原則として、姓(名)に『様』を付ける」よう求めてはいるが、「患者さま」という言い方は求めてはいない。ただ、内田樹氏の記憶に間違いがない限り、医療現場では「厚労省からのお達し」という認識が〈フォークロア〉として広まっていたということなのだろうか。また、「内田先生の記事は大学病院についてのことなので、もちろんそのような「お達し」などなかった」ということなのだが、もし国立大学附属病院だったら、「国立病院等」に入るのかどうか。
さて、「院内暴力」の増加だけれど、「患者さま」との直接的な因果関係はどうなんだろうね。「国家鮟鱇」氏は鉄道職員への暴力の増加というのを挙げているけれど、1990年代前半に米国で飛行機のCA*2への暴力が増えているという話を聞き、数年遅れで日本でもそういう傾向があるということを聞いたということがある。1990年代前半の米国では〈セラピー文化〉の帰結としてのDon’t-Blame-Me Syndromeというのが注目されていたのだった。

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100816/1281992231

*2:スッチーという言葉はメディアから追放されたな。