ホロスコープなど

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091204/1259925249で、植草一秀


企業勤務のころ、生命保険社長との宴席に同席した。血液型や占星学が話題になった。上司も社長も強い関心を示した。翌日、上司は社内の全役員の生年月日と血液型を秘書に調べさせ、要点をまとめて欲しいと言った。A4, 30ページほどの資料をまとめた。資料は長い間活用されたようだ。
という言説に、

「全役員の生年月日と血液型」では不十分だろう。占星術においては、生まれた時刻における星座や惑星の位置関係がわからなければ、十全な分析はできないからだ。
というコメントを加えた。
デリダの『雄羊』を捲っていたら、訳者の林好雄氏が訳註で、ポール・クーデール『占星術』という本から、

占星術の仮定によると、あらゆる人間の運命、その性格、その一生がことごとく天の布置に結びついているのである。とりわけ誕生時に天空が見せた姿が、その人の将来に本質的な役目を演じることになる。この場合の天空の姿がいわゆる出生ホロスコープである。(pp.29-30)
という一節を引いていた(p.140)。さらに、林氏の訳註によれば、「占星術〔horoscopie〕という語の語源となっているギリシア語のhoroscoposは、もともと「誕生の時刻を見る」という意味である」(ibid.)。
雄羊 (ちくま学芸文庫)

雄羊 (ちくま学芸文庫)

占星術 (文庫クセジュ 535)

占星術 (文庫クセジュ 535)

以前に読んだ占星術関係の本で興味深かったのは、印度人と占星術の関わりについて報告した矢野道雄『占星術師たちのインド』。
占星術師たちのインド―暦と占いの文化 (中公新書 (1084))

占星術師たちのインド―暦と占いの文化 (中公新書 (1084))

デリダの『雄羊』の読書ノート*1は中断したままだが、ぼちぼち再開したいなとは思ってはいる。