大阪府立大学(メモ)

承前*1

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200911270016.html


曰く、「大阪府立大学堺市中区)は26日、現行の7学部を4学域に再編し、総合大学から理系中心に転換する改革案を固めた」。
この10日ほど前に出た記事*2の方が事の経過などについて詳しいので、そちらの方をメモ;


大阪府立大学、理工系中心のスリム化方針に反発の声も(1/3ページ)
2009年11月17日

 大阪府橋下徹知事に存廃を含めた抜本的改革を迫られた大阪府立大学堺市中区)が揺れている。「年間100億円超の府費を投じるのは疑問」と迫る知事に対し、大学側は改革の主導権を握ろうと躍起だ。学部を7から4に削減し、総合大学から理工系中心の大学に転換するスリム化方針を打ち出し、生き残りを図る。11月末に改革案をまとめる予定だが、反発する声が身内から上がっている。(左古将規)

     ◇

 16日夜。府立大の奥野武俊学長は、家族の新型インフルエンザの疑いが判明して公務を自粛し、自宅待機している橋下知事からの伝言を電子メールで受け取った。「府立大が大阪の理系大学として、全国、世界にその名をとどろかせることができるかの正念場です。大改革の成就を期待します」と記されていた。

 橋下知事が求める府立大改革のキーワードは「選択と集中」だ。

 9月8日、府政の基本方針を決める戦略本部会議で、担当の府民文化部が「府立大学のあり方」と題したA4用紙38ページに上る討議資料を提示した。現行7学部のうち理、経済、人間社会の3学部の内容が「大阪市立大にもあり、重複感がある」などと指摘していた。府特別参与として討議資料づくりに携わった木谷哲夫・京都大産官学連携センター教授は「府立大は強い理工系分野を守り育てるべきだ」と説いた。

 府が府立大に支出している運営費交付金は年間約108億円。一方、大阪市も市立大(同市住吉区)に同約121億円を支出している。橋下知事は戦略本部会議を受け、「大阪全体でどれだけのお金を大学に投入するべきか、市とも議論したい」と述べ、府立大と市立大の統合をにおわせた。しかし、市側は具体的な話し合いに応じていない。

 市立大との統合が難しくなった今、橋下知事の関心は府立大の改革案に移っている。

 府立大は10月19日、各学部の教授ら約30人から成るプロジェクトチームを立ち上げた。検討中の改革案は、現行の工、生命環境、理、経済、人間社会、看護、総合リハビリテーションの7学部を、理工系、生命環境系、健康保健系、現代システム科学系(いずれも仮称)の四つの「学域」に改組し、理工系に特化した大学にするというもの。

 2011年度の新入生から新体制で受け入れを開始。改革が完了する16年度には、教員数(現在約720人)を約1割減らし、府からの運営費交付金も今年度の約108億円から90億円程度に減らせるとしている。

 「府はあまりにも無理解だ」。削減対象となった経済学部のベテラン教授は憤る。同部の今春の志願倍率は6倍に上った。「同じ経済学部でも大学ごとに専門分野が違う。文系は理系のように巨額の予算も必要ない。人気もあり、金もかからない学部をなぜなくす必要があるのか」

 大阪府大学教職員組合中央執行委員長で、同じく削減対象の人間社会学部の望月彰教授は「知事は大きな権限を背景に拙速な議論を迫っている。大学の自治がないがしろにされている」と語気を強める。週2回のプロジェクトチームの会合では反論が相次いでおり、先行きは不透明だ。

 学生にも戸惑いが広がる。人間社会学部1年の女子学生(19)は「保育士の資格が取れるので府立大を選んだ。学部がなくなって後輩が入ってこなかったら悲しい」。大学院工学研究科2年の男子学生(26)は「総合大学じゃなければ受験していなかった」と話す。

 大手予備校「河合塾」の近藤治・教育情報部長は「理工系大学に変われば、受験生にとって魅力は半減する。新たに特色を出そうとしても、定着するには10年以上かかる」と指摘する。

     ◇

大阪府立大学〉 1949年、大阪府内の旧制専門学校7校を母体に浪速大が発足し、55年に大阪府立大に改名。05年に大阪女子大、看護大の2府立大と統合した。理工系は京都大、大阪大に次ぐ関西トップクラスの位置づけだが、文系は大阪市立大に次いで中堅とされる。学生数は大学院生を含めて約8千人。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200911170055.html

勿論橋下徹*3の暴挙ではあるのだが、川瀬さんがいうように、歴史的には、東京都立大学横浜市立大学といった一連の経過の中で見てゆかなければならないのだろう*4