アングリカンとエラスムス

以前に英国国教会の「初期の教義形成において、エラスムスの影響が強かった」ということを書いたのだが*1、その出典として、岸田紀「絶対王政からピューリタン革命へ」(村岡健次、川北稔編『イギリス近代史−−宗教改革から現代まで−−』ミネルヴァ書房、1985、pp.21-43)をマークしておく。
国教会の教義形成に寄与したのは、正確に言えば、エラスムス本人の思想ではなく、その流れを汲む「アルミニアン」(or「新ペラギウス主義」)。カルヴィニズム(ピューリタニズム)の予定説や「神の絶対意志」論に反対し、(人間の)「自由意志」論と「理性の権威」論を説く。また、そもそものルターvs.エラスムスの対立については、取り敢えず金子晴勇『宗教改革の精神』をマークしておく。ただ、この著者は徹底的にルターの側に立っているが。

イギリス近代史―宗教改革から現代まで

イギリス近代史―宗教改革から現代まで