以前に英国国教会の「初期の教義形成において、エラスムスの影響が強かった」ということを書いたのだが*1、その出典として、岸田紀「絶対王政からピューリタン革命へ」(村岡健次、川北稔編『イギリス近代史−−宗教改革から現代まで−−』ミネルヴァ書房、1985、pp.21-43)をマークしておく。
国教会の教義形成に寄与したのは、正確に言えば、エラスムス本人の思想ではなく、その流れを汲む「アルミニアン」(or「新ペラギウス主義」)。カルヴィニズム(ピューリタニズム)の予定説や「神の絶対意志」論に反対し、(人間の)「自由意志」論と「理性の権威」論を説く。また、そもそものルターvs.エラスムスの対立については、取り敢えず金子晴勇『宗教改革の精神』をマークしておく。ただ、この著者は徹底的にルターの側に立っているが。
- 作者: 村岡健次,川北稔
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 1986/02
- メディア: 単行本
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宗教改革の精神―ルターとエラスムスとの対決 (中公新書 462)
- 作者: 金子晴勇
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1977/03
- メディア: 新書
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