承前*1
ロシア革命―レーニンからスターリンへ、1917‐1929年 (岩波現代文庫)
- 作者: E.H.カー,E.H. Carr,塩川伸明
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/02/16
- メディア: 文庫
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レーニンの死後の話。
埃を拭いて久々に捲ってみたE.H.カー『ロシア革命』から少し抜き書き。先ずスターリンの「レーニン主義の基礎について」講義(1924年)を巡って;
ただ、これは既に常識に属することか。因みに、「トロツキー主義」という用語の起源は「その信用を貶めたいと願う敵対者」による「悪口の言葉」。すなわち、カメーネフの『レーニン主義かトロツキー主義か』というパンフレット(p.104)。
スターリンの新機軸で重要な点は「レーニン主義」の特異な聖化であった。「レーニン主義」という言葉がレーニン存命中に流布していたとするなら、それは−−後の「トロツキー主義」同様−−その信用を貶めたいと願う敵対者によって、悪口の言葉として使用されたのであった。これ以後は、スターリンや他の党指導者の口によって、レーニン主義は、定義は漠然としているが、無謬の教義体系であるとされ、党の公式路線とその批判者の異端とを区別するものとなったのである。(pp.101-102)
また、スターリンの権力奪取に対する〈西側〉の皮肉な反応についても抜き書きしておく;
スターリンの台頭は、西欧では一定の満足をもって迎えられた。というのも、それは、トロツキーやジノーヴィエフのような革命的扇動家が没落して、自国の運命の再興に没頭している、穏健で慎重な指導者によってとって代わられたことを意味したからである。(p.129)