「受給のスティグマ」(メモ)

http://d.hatena.ne.jp/oda-makoto/20091003#1254552814


子ども手当」に「所得制限」を設けるべきだという意見に対する反論。その根拠は、


1) 「貧困の罠」

2) 「事務コスト」

3) 「受給のスティグマ

ということになる。そのうち、「受給のスティグマ」という視点は面白いので、メモしておく;

 最後に、「受給のスティグマ」について。これは経済学者がほとんど無視する問題ですが、社会学的には重要です。とくに日本社会のように、「自己決定・自己責任」論の強い社会では、低所得者層向けの支給を受けること自体が、低所得者に、「本当は、自分でなんとかしないといけないのに、自分は他人の世話になってしまっている」というスティグマを烙印してしまいます。

湯浅誠さん*1なら、生活保護を受けることなしにぎりぎりまでがんばってしまう貧困層を大勢みているはずなのに、「まるっと支援」を否定しているのはどうしてなのでしょうか。「まるっと支援」こそ、自己決定・自己責任論からくる「受給のスティグマ」を解消してくれる一つの道なのに。それが左翼の「貧困層に再分配を」という思想に反するからだというのは、左翼小児病と言われても仕方ないでしょう。

ところで、社民党は意見を変えたよう;

社民党子ども手当の所得制限導入にこだわらず

 社民党は2日、民主、社民、国民新3党の連立政権合意に盛り込んだ子ども手当創設について、所得制限の導入にこだわらない方針を固めた。子育て支援に積極的な姿勢を示すのが狙いで、支給額に関しても初年度は民主党が主張する1人当たり月1万3000円(通常の半額支給)を容認する意向だ。

 予算編成の焦点の1つである子ども手当を巡り民主、社民両党がほぼ合意に達する見通しとなったことを受け、与党調整は民主党国民新党との協議が焦点となる。(02日 16:38)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091002AT3S0200F02102009.html