ランダムに(池田大作エスニシティ問題から)

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20090725/1248491682


Oh, Henry*1


今年の1月5日、日比谷の派遣村から国会まで請願に行くデモに参加した。請願受理の場所である議面会館の前には野党の議員が出迎えてくれていて福島さんに挨拶した。しかしなんとあろうことかそこに公明党の議員どもが居たのだ。私たちは散々、抗議した。「平和の政党、庶民の味方」いつの時代かに掲げていた標語である。それが自公の連立となってからはアメリカのイラク攻撃に真っ先に賛意を示した小泉自民党に追随し、派遣法を成立させることで今日の格差社会を生み出すことに貢献して来たのがソン・テジャクこと大作大先生率いる朝鮮カルト「創価学会」と見事に政教一致している国賊公明党なのだ。隣りの親切な池田さんに誘われたからと言って、今更こんな政党に投票するということが如何に国を滅ぼす自殺行為であるか、よく考えて欲しい。
http://henrryd6.blog24.fc2.com/blog-entry-698.html
という言説を引き*2、Oh, Henryが「韓国・朝鮮への公然たる差別に足を踏み入れ」、彼が「「土井たか子の本名は李高順だ」などと騒ぐネット右翼や、「国籍法」改正に反対して差別的言説をまき散らしたレイシスト城内実らと何ら変わらない差別主義者であること」が「露呈」されたという。まあ、既にOh, Henryの盟友であろう布引洋*3の「在日」への差別発言には既に言及しており*4、正直言って驚かなかった。Oh, Henryのこの発言の問題性については、例えばhttp://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20090726でも触れられているので、取り敢えずいうことはない。
Oh, Henryのこの件に関するネタ元はリチャード・コシミズ*5であるらしいが、或る創価学会信者の方のblog*6によると、池田大作朝鮮人」説の発端は「冨士谷紹憲」という男であるという。「永田町ウォッチャー」という肩書きがつけられている。「冨士谷紹憲」は「イオンド大学*7関係者でもある。
さて、池田大作朝鮮人」説だけど、2005年に某MLでこの説を開陳している奴がいて、私は宗教学者にはそんなことを言っている人は全然いないとレスをしたのだが、逆にそんなことは2ちゃんねるでは常識ですよと言われてしまった。それで、Googleをかけてみたら、けっこうな数がヒットしたので、吃驚したということがある。実は私の師匠は日本における創価学会(というか、さらに広く日蓮新宗教)研究の第一人者ともいうべき人で、創価学会の表情報や裏情報はゼミとか酒の席でいつも吹き込まれていた。さらに、師匠は在日コリアン研究に手を出したこともあるので、そういう話があれば言わないわけはない。また、創価学会は戦後ずっと、左翼からも右翼からも、マス・メディアからも、既成佛教を初めとする他の宗教からも批判を受けてきた。なので、夥しい数の創価学会批判或いはバッシング本が出ており、それに対して、創価学会自身やシンパによる創価学会弁護本も沢山出ている。勿論、その一部しか見てはいないが、池田大作朝鮮人」説というのは(管見の限り)全く見たことがない。創価学会を批判したりバッシングしたりする人もそういうことは問題にしていなかったのだ。
上で参照したhttp://blogs.yahoo.co.jp/kenichimiura423/43472846.htmlには、(創価学会とは対立する)日蓮正宗側の記事が池田大作朝鮮人」説を否定する証拠として引用されているのだが、私がほぼ直感的に池田大作朝鮮人」説の信憑性に疑問を感じたのは2点ある。先ず、海苔。大森は江戸時代から海苔の産地であったわけだけど、海苔は漁業というよりは海上の農業ともいうべきものであり、海苔を育て・収穫する権利は代々世襲されてきたのであって、(日本人であれ朝鮮人であれ)新参者がそうした権利を容易く獲得することはできないだろうと思った。日本のムラ社会はそんな寛容ではない*8。また、「帰化」して日本国籍を取得した人が「在日」社会に影響力を行使することは難しいのではないかと思う。日本に「帰化」した人は〈裏切り者〉として疎外される可能性が高いわけで、もしも池田大作がほんとうに日本に「帰化」した「朝鮮人」だったら、寧ろ「在日」社会からバッシングの声が聞こえてくる筈だけど、そういうことはない。
勿論、創価学会の信者に「在日」の人がいないわけはないとは思う。また、たしかに「在日」の人は、創価学会に入信するに当たって障壁のひとつとなる日本の既成佛教とのしがらみがないだろう。ただ、大阪の猪飼野とか江東区の枝川といった集住地ではないような気がする。そういうところでは、シャーマニズムや韓国佛教(曹渓宗)の影響が強く、創価学会のような新宗教が入り込む余地は少ないのではないか。
創価学会に関しては、もっと宗教史的には重要な問題があって、例えばその教義の主要な部分において国柱会(田中智学)からのパクリが認められるが、そのパクリが何時頃、どのようにして行われたのかということの方が知りたい。
ところで、

Jseta*9 2009/07/25 13:49
言っている意味がわからないのですが…
仮に池田大作朝鮮人だとしてそれが問題あるという受け取り方なのでしょうか?
朝鮮人であるということを問題視しているのはあなた自身ではないですか?

朝鮮人である人を朝鮮人だと指摘し、それが差別だといって騒ぐ
それはおかしくないですか?

中国人である人を中国人だと指摘しても誰も差別などといいません。
これを理解できないと、韓国・朝鮮人のただの被害妄想と言われても仕方ないのでは?
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20090725/1248491682#c1248497370

について、幾つか。「池田大作」とかそういうことを離れて。また、偽については問題外。或るアイデンティティが或る社会においてスティグマとなる状況においては、本人のカミング・アウト以外に、第三者がそのことを暴露することは慎むべきであろう。というか、それはスティグマ化としての差別の継続に荷担することである。中上健次被差別部落民である、つかこうへいは「在日」であると書くこと自体は問題がないだろう。何れも本人がそう公言しているわけだから。しかし、そうでない場合、その意図が善意であろうが悪意であろうが、第三者が言ってはならないと思う。アイデンティティが暴露された場合の帰結を本人以外の誰も引き受けることはできないのだから。これについては、1980年代の『噂の真相』事件が参照されるべきか。『噂の真相』に「在日」藝能人リストみたいなノリの記事が掲載され、当然ながら、かなりの批判が寄せられた。それに対して、『噂の真相』側は差別が目的ではなく「在日」を励ますためだったと開き直ったわけだ。