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先ずは、
というのに笑ってしまう。まあ、1980年代の豊田商事も基本的に「シニアビジネス」であったわけだが。
最近の老人相手の「カネもうけ」で一番の成功?事例を上げるとしたら「オレオレ詐欺」だ。老人達は寂しい暮らしの中で、子供や孫からかかってくる電話を首を長くして待っている。オレオレ詐欺は、そこにつけ込んだ。警察の取り締まりやメディアのキャンペーンにもかかわらず、オレオレ詐欺に代表される「振り込め詐欺」の手口は巧妙化し、被害総額は年間250億円にも達している。犯罪の手口から学ぶというのもどうかといわれそうだが、そこには明らかに考えさせられる何かがある。
さて、
〈演技としての家族〉というテーマの映画だと、1980年代では森田芳光の『家族ゲーム』、最近では黒沢清の『トウキョウソナタ』。『トウキョウソナタ』に「ショッピングモール」は出てくるが、それは「「家族」であることを確かめる」場ではなく、逆に「家族」を成立させるために隠しておかなければならない恥部として。
現在の「ファミリー」層にとって、週末に郊外のショッピングモールに車で出かけて行って一緒に消費をすることが、「家族」であることを確かめる唯一の「ハレの時間」になっているのではないか。日頃は携帯電話やゲーム機を覗き込むばかりで、親の言うことなど耳をかさない子供たちをとにかく車に押し込んでショッピングモールに連れていき、たいして欲しがってもいないモノを買い与えて家族ごっこをやっているというのが、今の日本の「ファミリー」の平均像だといったら世のファミリー族から顰蹙をかうだろうか。
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たしか、『嫌われ松子の一生』*1でも、「ハッピーファミリー」の象徴として、デパート屋上の遊園地が出てきた。
「ファミリー」幻想は、長く日本人の消費を牽引する原動力となっていた。ファミリーレストラン、デパート、遊園地、家族旅行といった「ハッピーファミリー(幸せな家族)」のための商品やサービスが日本の消費の中心トレンドをつくってきた。しかし、「ファミリーレストラン」が、「ファミレス」となり、高校生や暇な主婦連中がたむろする場になってしまったように、「ファミリー」という言葉は、今や使うのにも気恥ずかしさが伴う死語になりつつある。そうしてみると、現在、隆盛を極めているといわれる郊外型の大規模ショッピングモールやアウトレットは、日本人が高度成長時代からずっと抱き続けてきた「ファミリー」幻想が行き着いた終着地のようなものに見えてくる。消費者の「ハレの時間」を演出するために、ショッピングモールは際限なく巨大化し、ディズニーランドのような場所に近づいていくだろう。
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「カトラー」さんの考察に戻れば、一般的な傾向としてはそうなのだろうけど、例えば「商店街」に関しても、場所に依るよねということになるだろうし*5、「ショッピングモール」にしても、「週末」だけでなく平日も営業しているのではないかということもある。
平日の「ショッピングモール」が物語を支配するトポスのひとつとして登場する角田光代『空中庭園』を再度精読すべきかもしれない。
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