ドストエフスキーと混乱

鈴木英生「よみがえるドストエフスキー 亀山郁夫氏ロシア訪問<上>」『毎日新聞』2008年11月19日夕刊


ここから、モスクワにおける記者会見での亀山氏の発言を引いておく;


ロシアの精神性は、根本で、ある種の無秩序さを持っています。今のグローバリゼーションが持つ怖ろしい無秩序性は、ロシアが根源的に抱えているそれと同じだと思われます。19世紀後半、農奴解放以後のロシア社会の混乱をドストエフスキーは文学で表しました。彼は、その底にある何かを、どうすれば人間が支配できるかという問題と格闘しました。これは、今のコントロール不能な世界に、人間がどう対処すべきかとの問いと、二重写しにできます。
この妥当性については判断を保留する。
ところで、亀山氏がモスクワに乗り込んだ飛行機の名前は「フョードル・ドストエフスキー号」だったという。