ハニ/アカから

「初めて会った人に、哈尼族のアーティストがいて、彼から哈尼語を2つ教えてもらう」と書いた*1。ところで、「哈尼族」というのがタイやビルマ少数民族である「アカ族」の中国国内における名称であることをその後になって知った。また、中上紀の小説「彼女のブレンカ」の主人公である「咲」は「アカ族」の血を引いているという設定になっている。

彼女のプレンカ (集英社文庫)

彼女のプレンカ (集英社文庫)

さて、文庫本の「解説」で、津島佑子さんは「彼女のブレンカ」について、「タイ少数民族のなかでもとくに貧しいアカ族の若者たちが語る「物語」は、現代の消費社会という存在にさらされる各地の少数民族がたどる共通の問題をあぶり出す」(p.229)と書いている。「彼女のブレンカ」が「あぶり出す」問題ということで、matsuismさんが「ラオス」について言及していたのに刺戟されたということもあり*2、SETH MYDANS “Tourism Saves a Laotian City but Saps Its Buddhist Spirit”というNYTの記事*3を読んでみた。ラオスのLuang Prabang*4。がユネスコ世界遺産に指定されたことが齎したパラドクス。
これとも関連するが、チベット問題を巡っては、


Ian Burma “Tibet's last stand” http://commentisfree.guardian.co.uk/ian_buruma/2008/04/tibets_last_stand.html


が興味深かった。ここでも問題は近代化のディレンマという一般的な水準に及ぶ。
また、


阿部治平「神か仏か、ただの人か」http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-312.html


もマークしておく。
See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080411/1207885619

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080414/1208109160

*2:http://d.hatena.ne.jp/matsuiism/20080410

*3:http://www.nytimes.com/2008/04/15/world/asia/15laos.html

*4:片仮名表記としては、「ルアンプラバーン」というのと「ルアンパバーン」というのが混在しているようだ。どちらが原音に近いのか。