「冷酷仙境」など

SUBS*1が上海でライヴを行ったことは終わってから知る。
さて、金曜日、妻はセリーヌ・ディオンを聴きに行き、私は「育音堂」*2へ「冷酷仙境(Cold Fairyland)」*3を聴きに行く。天山公園に移ってから「育音堂」へ行くのは初めてである。
「冷酷仙境」は上海をベースとしたバンドで、メンバーは、


林笛:ヴォーカル、琵琶、シンセサイザー
蘇勇:ベース
李佳:ドラムス
宋建豐:ギター
周聖安:エレクトリック・チェロ

「冷酷仙境」というバンド名は、村上春樹の小説『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の中国語訳『世界尽頭與冷酷仙境』から採ったもの。バンドの英語名は現在はCold Fairylandだが、以前はCool Fairylandと名乗っていたようで、Hardboiled WonderlandがCool Fairylandになって、さらにCold Fairylandになったというわけだ。実は「冷酷仙境」というバンドの名前は何年も前から知っていて、中国では珍しい(日本でも?)プログレ系のバンドということで、何度もライヴを聴きに行こうとしたのだが、その度に聴き逃してしまっていた。
9時開始ということだったが、2月に行われたバンドのフィンランド・ツアーのヴィデオが流されていて、演奏開始は9時半過ぎだったか。演奏はギターとベースとドラムスがしっかりリズムをキープして、その上を林笛の琵琶と周聖安のチェロがうねるという感じ。琵琶がフィーチャーされているといっても、それによって殊更〈中国風〉が強調されるというわけでもない。そもそも琵琶はロックに適合した楽器だとは思うが、林笛の弾く琵琶は、去年クロノス・カルテットと共演したのを聴いた呉蛮*4と比べると、音の硬度が足りないという感じもした。それよりも、周聖安のチェロはすごくよく、改めてロックの楽器としてのチェロの可能性ということを思ったのだ。実は当日頭痛が酷くて、ずっと後ろの方で蹲りながら聴いていた。11時過ぎに演奏が終了すると、一気に頭痛が噴出し(音楽によって頭痛が緩和されていたわけだが)、タクシーの中で頭痛にもがきながら、どうにか自宅まで戻る。
会場で、「冷酷仙境」のCDを3枚買う;


『陌生仙子国』(2003)*5
『2005現場』(2006)*6
『地上的種子』(2007)*7


次の日は、自宅にお客様を招く。アーティストのK氏を初めとする在上海雲南*8を中心に7名。日本蕎麦(何故か熊本産の更科蕎麦)を茹でる。また、鯛の切り身をバターで炒めてトマト・ソースを絡め、何ちゃってイタリアンにする。あと、サラダには(甘酸っぱい)タイのドレッシングをかけてみる。けっこう短時間で日本酒1本、赤ワイン5本を空にしてしまった。初めて会った人に、哈尼族のアーティストがいて、彼から哈尼語を2つ教えてもらう。忘れないうちに書きとめておく。乾杯はチバドウ、謝謝你はノノマ