Japan as Made in Chinaなど

http://d.hatena.ne.jp/good2nd/20080202/1201913558で知る。
共同通信配信の記事;


日本の伝統文化もコピー 中国、浮世絵や刀を製造


 偽造品の生産拠点として知られる中国で、浮世絵を模倣した絵画や日本刀を製造するビジネスが登場した。日本の伝統文化に関心がある欧米などの愛好家向けに販売するのが狙いで、世界に中国製の“日本文化”が広まる可能性もありそうだ。

 広東省深☆市に「大芬油絵村」という地域がある。「モナリザ」をはじめ世界の名画の複製品を大量に生産する場所として知られる。数百の画廊やアトリエがあり、国内外の業者や愛好家らでにぎわう。

 陳書旺さん(30)は、浮世絵を見本にした油絵を制作。絵は1−2日で完成。欧州や香港の業者が100元(約1500円)余りで買い取る。画家を目指す陳さんは「浮世絵の模倣は生活の糧」と割り切る。

 中国では、日本の人気アニメの登場人物を違法にコピーした商品が大量に出回っているが、浮世絵など知的財産権の対象になりにくい日本の伝統文化にも中国の業者が着目した格好だ。(共同)

(注)☆は土ヘンに川


2008/01/26 09:54 【共同通信
http://www.47news.jp/CN/200801/CN2008012601000115.html

そもそも中国の陶器のコピーを輸出用に朝鮮人の職人に作らせたのが有田焼の起源ということでよろしいのでしょうか*1
「浮世絵を見本にした油絵」か。木版の浮世絵の独特なテクスチャーは「油絵」によっては完全に壊されてしまうだろう。「浮世絵」を「油絵」にするという発想は面白そうでもある。
ところで、秋葉原の免税品店とかに行くと、フジヤマ、ゲイシャ、サムライといった如何にもオリエンタリズムがむんむんの土産物を売っているけれど*2、あれらははたしてMade in Japanなのか、それともMade in Chinaなのか。以前行ったときにはタグをチェックするのを忘れた。
中国では、例えば文革時代のプロパガンダ絵画が現代アートでもコマーシャル・アートでもネタとして使われている。その場合の著作権はどうなっているのか。
「大芬油絵村」といえば、昨年夏に上海で開かれた『地軸転移』*3という香港のアーティストのグループ展で、「大芬油絵村」にステレオタイプ的(或いは観光ポスター的)な香港の風景の油絵を発注して展示するというインスタレーションを行っていたアーティストがいたことを思い出した。
また、伝統文化絡みでは、日本企業が三国志等をゲーム・ソフト化することへの反発というのがある*4

さて、http://d.hatena.ne.jp/good2nd/20080202/1201913558では、「日本画」の起源についても言及されているのだが、http://katoler.cocolog-nifty.com/marketing/2007/11/post_8e1e.htmlでは、湯木貞一(吉兆の創始者)と北大路魯山人による「日本料理」の発明について語られている;


湯木や魯山人が現れるまでは、日本料理とは、宮廷料理の流れをくむ有識料理、武家料理の伝統を引き継ぐ本膳料理、地方の郷土料理などが、雑多に混在するものでしかなかった。
湯木貞一は、そこに茶懐石の伝統を接合して、素材と季節感を軸にした、現在の「日本料理」の基本型を確立した。茶懐石とは、もともと茶事の前に供される引き立て役としての料理でしかなかったが、その理念を軸に、雑多な日本の料理をひとつの統合したイメージをもった「日本料理」として編集したのだ。
素材と季節感を大切にし、器や空間にまで心配りをするという考え方は、魯山人が料理の世界に持ち込んだものといえるが、その料理思想を受け継ぎながら、湯木はそこに「日本料理」という概念の枠組みを用意したといえるだろう。その意味で、近代日本料理の祖型は、魯山人と湯木の二人三脚によって創り上げられたといっても過言ではなく、その功績は、近代フランス料理の父といわれるオーギュスト・エスコフィエにも比肩するといってよいだろう。つまり、吉兆とは、もともと「モダン(近代)」にその誕生の母胎があったということだ。