李澤厚「説歴史悲劇」 (『歴史本体論・己卯五説(増訂本)』*1生活・読書・新知三聯書店、2006、p.230)にて、李澤厚氏はクリフォード・ギアーツ*2のInterpretation of Culturesから”Men have birthdays, but man does not.”(p.47)という文を引き、それを「人群有誕生日、個体没有」と中国語に訳している。それをさらに日本語にすれば、人々の集団には誕生日があるが、個人にはないということになるか。これを読んで、この文は(具体的な)諸個人には誕生日があるが、人類一般にはないと解すべきではないかと思ったのだが、如何だろうか。ギアーツのInterpretation of Culturesは大学院生時代にH先生から借りてコピーし、その中の”Religion As a Cultural System”の要約をほかの先生の授業で発表したということもあるが、この引用文は多分第2章の”The Impact of the Concept of Culture on the Concept of Man”からだと思うのだが、ここはこの本の中でも読んでいない部分であり、従って文の文脈を推し量ることもできない。他人の翻訳に文句をつけるつもりが、何だか情けないことを告白する破目になってしまった。
The Interpretation Of Cultures (Basic Books Classics)
- 作者: Clifford Geertz
- 出版社/メーカー: Basic Books
- 発売日: 2000/01
- メディア: ペーパーバック
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