松下圭一

『毎日』の記事;


<訃報>松下圭一さん85歳=政治学者、法政大名誉教授

毎日新聞 5月11日(月)20時52分配信


 地域民主主義や統治から自治への政治転換を提唱、地方分権改革に影響を与えた政治学者で法政大名誉教授の松下圭一(まつした・けいいち)さんが6日、心不全のため東京都内の自宅で亡くなった。85歳。葬儀は近親者で営んだ。お別れの会を後日開く。喪主は妻美知子(みちこ)さん。

 福井市出身、東京大法学部卒。同大在学中に学生新聞編集長を務め、丸山真男のゼミに入った。1956年に発表した論考「大衆社会論」や59年の「大衆天皇制論」などで注目された。また市民自治や行政の役割、最低限保障されるべき住民の権利などを説く「シビル・ミニマム」の概念を提唱した。2000年に法政大学を定年退職した。日本政治学会理事長や日本公共政策学会会長を歴任した。主な著書に71年度の毎日出版文化賞を受賞した「シビル・ミニマムの思想」や「市民自治憲法理論」、「政策型思考と政治」など。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150511-00000070-mai-soci

『読売』の記事は菅直人への影響を言及している;

菅元首相の「原点」政治学者の松下圭一さん死去
2015年05月11日 18時46分


 地域を基盤とする民主主義や市民の政治参加を訴えた政治学者で法政大名誉教授の松下圭一(まつした・けいいち)さんが6日午前1時20分、心不全で死去した。

 85歳。告別式は近親者で済ませた。後日、お別れの会を開く予定。喪主は妻、美知子さん。

 福井県生まれ。東大卒。市民的自由のための実証科学・政策科学を唱え、地域民主主義や都市政策の重要性を主張した。生活の制度的最低条件の充足を目指すシビル・ミニマム論は、高度経済成長期、多くの革新自治体の理論的支柱となった。その市民自治の思想は、2010年、当時の菅直人首相が所信表明演説で自らの政治理念の「原点」と述べたことでも知られる。「シビル・ミニマムの思想」で毎日出版文化賞、「市民参加」の責任編集と同書に収める「市民参加とその歴史的可能性」で吉野作造賞。日本政治学会理事長も務めた。他の著書に「市民自治憲法理論」など。
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20150511-OYT1T50085.html

市民自治の憲法理論 (岩波新書 青版 A-42)

市民自治の憲法理論 (岩波新書 青版 A-42)

丸山眞男*1が82歳で亡くなったのは1996年。2015年には丸山の弟子が師匠の歿年よりも高齢の85歳で逝く。丸山の死から来年で20年なんだという感慨。それから、私が大学時代に松下氏の「市民自治」論を読んでいたとき、氏は40代の壮年だったのだ! ということに気づいた。