「天皇」についての引用

文藝春秋のPR雑誌『本の話』152に、佐藤優中村うさぎとの対談あり。その中で、中村うさぎの「天皇は佐藤さんにとって何なの? なぜ必要なの?」という問いに答えて曰く、


なぜ天皇が必要というか、ありがたいと強く思ったのは、やはり二〇〇二年にパクられたとき。天皇という権威があって、大統領とか総統とかがいないおかげで僕も鈴木さんも殺されずにすんだ。権威と権力の両方を持つ小泉総統とか田中真紀子大統領とかがいれば、気に入らない奴を徹底的に消滅させることができるはずです。でも、ぎりぎりのところで最高権力と最高権威者を一身に体現した者がいないのが日本のありかたでしょう。その最後のぎりぎりのところを担保しているのが天皇だと思うんですよ。(p.4)。
天皇と権力/権威問題については、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060206/1139243584http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060209/1139452644http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060212/1139769404も参照されたい。
ところで、大佛次郎の『鞍馬天狗』が復刊されていることを知る(縄田一男鞍馬天狗の帰還」)。縄田氏によれば、『鞍馬天狗』シリーズの最終作が書かれたのは1965年。大佛次郎は晩年まで『鞍馬天狗』を書いていたということになるのか。