study inとstudy ofとか

http://d.hatena.ne.jp/takemita/20070621/p2


三谷さんがコナン・ドイルA Study in Scarletのstudyの訳語問題についてあれこれと議論している――「研究」か「習作」か。
私のpoorな(主観的意味、客観的意味のどちらでも)英語力を以て介入させていただくと、「研究」の意味ではstudy inとstudy ofのどちらも可能かと。前者の用法として、ガーフィンケルStudies in Ethnomethodologyとか。因みに、何故study inなのかということはわからない。英語ユーザーにとっては、「研究」というと対象の内部をごにょごにょとまさぐるというイメージが喚起される? それに対して、「習作」という意味で、study inを使った例は見たことがない。何ちゃらの「習作」という場合は、どうしてもstudy ofなんじゃないかと思う。それはもしかして、「習作」が完成された作品と隠喩的関係にあるのに対して、「研究」とその対象との関係は間喩的なものであるからか。さらに言えば、ofは日本語の「の」と同様に、いちばん意味(用法)の広い前置詞だろう。
三谷さんが取り上げている延原謙訳の『緋色の研究』は私が中学生のときに初めて読んだ大人向けのホームズ物。また、「習作」と訳したという小林司氏はたしか、上智大学の先生で、専門は英文学ではなく精神医学だったと思う*1東山あかねは小林さんとは夫婦関係にあり、夫婦で「日本シャーロック・ホームズ・クラブ」の事務局を運営しているという*2
コナン・ドイルのホームズ物は長らく読んでいない。1980年代にNHKで放映されたBBCのドラマ・シリーズは殆ど全て視たけれど、それもかなり前だ。また、シャーロックとワトソンというエスノメソドロジストのペアがいることを知ったときに、あれ!と驚いたのだった。