Baby boom@Shanghai

LU Feiran “Baby boom adds pressure” Shanghai Daily 14 February 2007


上海では2007年の出生数が137000人と予測されている。これは2006年(131000人)よりも6000人多いことになる。そのおかげで、産院はどこも満杯。これは「金猪年」の効果によるものとされているが、実はここ数年来出生数は増加し続けており、(日本でいえば団塊ジュニアに当たる)独子政策の第一世代が生殖年齢に達したためであり、出生数の増加は2015年まで続くと予測されている。
ところで、「金猪年」に子どもを産むのは何故縁起がいいのか。但し、「金猪年」は普通の猪年ではなく、五行の火と土に関わり、丙亥、丁亥、己亥、戊亥を指す。字面から連想される庚亥や辛亥とは関係ない*1
上の記事に曰く、


Emperor Gaozu of the Tang Dynasty issued a new coin in 621 called “Kaiyuan Tongbao,” which inherited the style of “Zhu” coins created during the Qin Dynasty(221-206 BC).
Five years later, when Emperor Taizong acceded to the throne, China stepped into a great period of prosperity that lasted for about 200 years. The Tang Dynasty also reached its peak under the rule of Emperor Taizong.
People believed the “Kaiyuan Tongbao,” or “Zhu” coins brought about the wealth and peace to the country, thus named the coin “Golden Zhu.” It happened that 627, the year Emperor Taizong succeeded to the throne, was a Year of the Pig, so people said it was a Golden Pig year, as “Zhu” is pronounced the same as “pig” in Mandarin.
また、劉肇新氏の引く王志中氏の説は、

 唐の高祖は武徳4年(西暦621年)に、唐の前の王朝だった隋に粗製乱造された隋銭を廃止し、秦・漢時代の厳格な「重量制」を復活させ、日本の「和同開珎」のモデルとなった「開元通宝」を鋳造させた。これにより、それまで重量を表わす単位の「銖」や「両」で示され、重さもばらばらであった通貨体制を改め、統一された「通宝」を流通させた。それ以来中国の通貨体制「通宝制」が確立した。

 その5年後、太宗が即位した貞観元年(西暦627年)から治世が続き、経済・文化をはじめあらゆる部門で社会が大きく発展した。この治世を「貞観の治」と呼ばれている。この貞観元年が「丁亥の年」にあたり、金銭の重さの「銖」を厳正に制定し、確立された通宝制によって唐の隆盛が始まったことにより、この年を「金銖の年」と称えて呼ぶようになったという。ちなみに「開元通宝」の重さは「2.4銖」(2.4X1.55=3.72g)であったらしい。

 この「銖」は「珠」にも通じ「猪」とともにいずれも中国語で「zhu」と発音するので「金猪の年」とも言われるようになったというわけである。

である。

*1:劉肇新氏(http://www.janjan.jp/world/0701/0701168211/1.php)によると、ここら辺は中国人でも誤解している人が多いようである。http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070206/1170730731で「干支という伝統の衰退は嘆かわしい」と書いたが、それは日本だけではないらしい。