搾取の効能

承前*1


http://d.hatena.ne.jp/kechack/20070210/p1に曰く、


 まず会社員に個人事業主のような自己責任を求めるのはどうなのか?自己責任が取れる人間は独立して起業すればいい訳で、そのリスクを回避したい人が企業に所属し、そのリスク回避分は自己が創造した付加価値を企業に帰依させるのである。昔風に言えば搾取だが、リスク回避の為の年貢と思えばいい。

 しかし奥谷社長の考えに基づけば、年貢を納めているのに、リスクは自分で負えと言うことなのか、働く側から見れば企業という庇は高いのに保障が薄い魅力のない保険に成り下がってしまう。

「帰依」は帰属? 単純な左翼的言説では何故みんな「搾取」を甘受するのかということは問題にならないか、〈虚偽意識〉というマジック・タームによって処理されるかどちらかだろう。しかし、「搾取」にもそれなりの積極的な効能があるということは確認しておいた方がいい。
また、

ちなみに「格差はあって当然」とか「下流は甘え」と言った言葉をはっきり言うのは、なぜか成功している女性が多い気がする。高市早苗金美齢などがそのような発言をしている。男性の成功者はあまりはっきりこういうことを言う人は少なく、セーフティーネットも必要といったゆるい発言をする。そういえば英国のサッチャーがそうであった。
以前に「過剰な適応」ということで、

例えば、ビジネスでキャリアを積もうとする女性或いは女性管理職には資本の論理とか組織の論理に過剰に適応してしまった(しようとする)人が多いような印象がある。それによって、自他のストレスは倍増する。それに対して、オヤジの方はどこか距離を置いて資本や組織と付き合っているというところがあるのではないか。その〈距離〉の有無を生じさせる社会的メカニズムが問題だといえば問題なのだが。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060301/1141238389
ということを書いたことがある。或いは、ハンナおばさんの言葉を借りれば、「成り上がり者」の心性ということと関係があるか。