ちんぴら主義


今、日本の千葉にいます。
現象学・社会科学会*1ですが、土曜日は疲労のためと、それから夫婦関係を優先して、さぼりました。ナベ、ごめん。日曜日はお伺いします。


さて、11月30日に、上海で


 朱大可『流氓的盛宴 当代中国的流氓叙事』新星出版社、2006


なる書物を買う;


緒論 中国流氓学簡史
第一章 国家話語転型及其美学躍進
第二章 身〓*2與話語:何処是故郷
第三章 流氓話語:反諷的新世界
第四章 1920-1960:当代流氓話語的歴史起源
第五章 1980:新流氓話語的租借與復興
第六章 流氓話語的詩歌揺籃
第七章 王朔主義:衆痞的玩世喜劇
第八章 1990-2000:文学裏的流氓面容
第九章 口語、口吃、口交:後流氓主義的夜宴
第十章 視覚符号的解構美学
第十一章 消費叙事和揺滾裂変
第十二章 大話、哄客和霊語失踪案


附録 流氓的精神分析
主要参考文献
後記  

ぱらぱらと捲ってみると、朱大可先生のこの書物、「流氓」、すなわちrogueという鍵言葉で当代すなわち現代中国文化を語ってしまおうというものらしい。「流氓」という言葉に定住とか定職と対立するnomadの意味を込めているのか、例えば現代中国において「流氓」を体現するのは、社会変動によって都市への出稼ぎを余儀なくされた「離郷農民」、国営企業のリストラによって大量に生みだされた「失業職工」、留学の末その地に居着いてしまった「外国僑民」、アーティストやメディア関係者などの「知識游民」、「網絡游民」を挙げている(pp.12-13)。
流氓といえば、10年以上前に香港で、王學太『中國流民』(中華書局[香港]、1992)という本を買ったことがあるが、これは中国における「游民」の歴史的発生と彼らを主人公にした「通俗小説」の発生との関係を論じたものなり。

*1:Cf. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061112/1163302430

*2:fen4、にんべん+分。GB2361.