「限界集落」

限界集落」という言葉を知る。『読売』の記事なり;


消滅寸前の集落、京都・綾部市が異例の「救済」条例
 65歳以上の住民が半数を超え、共同体としての存続が危ぶまれる「限界集落」について、京都府綾部(あやべ)市は、山間部の5集落の振興を目指す「水源の里条例」の制定を決めた。

 公共交通の確保や移住者向けの補助制度の新設などを行う。消滅か存続かの岐路にある集落を切り捨てず、支えて元気にすることで、市全体の活性化を目指す。限界集落に限った振興条例は異例で、この10年間に全国で5000集落が消える中、過疎に悩む自治体から注目を集めそうだ。

 福井県境に近い由良川水系上流の5集落(計95人)を対象に指定する。5集落の人口は、ピーク時(1965年)の4分の1にまで落ち込んだ。最小集落は7人だけで、2集落は全員が65歳以上。大半は農家だが、出荷などの重労働はできず、自給のための野菜作りをしており、「主力産業は年金」とさえ言われる。市の調査では、8割に後継者の見通しがなかった。

 振興策は、空き家整備や、地域特産物の開発、情報化の推進、都市住民向けの貸し農園を活用した交流事業も盛り込む。

 市は、12月市議会に条例案を提案、来年4月からの施行を目指しており、基金を設け、5年期限で集中的に予算を投入する考え。

 限界集落は大野晃・長野大教授が概念を考案。65歳以上の住民が半数を超え、共同体としての機能が果たせず、急速に消滅に向かうといい、対策を取るよう警鐘を鳴らしている。政府の調査では、「消滅の可能性がある集落」は全国に2109あり、消えた集落も含めた実態調査を実施、来春をめどに結果をまとめる。

(2006年11月27日18時20分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061127i307.htm