上海書展

延安中路にある上海展覧中心。屋根のオニヒトデというか赤い星が目印の、いかにも〈社会主義〉のオーラが漂った建物なのだが、まだ足を踏み入れたことはなかった。「上海書展」が11日までということで、行って来た。私は東京でもどこでもこういうブック・フェアの類にはまだ行ったことがないのだ。
地下鉄2号線の「石門一路」駅から歩いたのだが、すごく遠い。後から気付いたのだが、「静安寺」からの方が絶対に近い! その前の日も、仕事である会社に行ったのだが、先ず間違えて、その会社の親会社のオフィスに行ってしまい、それから「江(jiang)」と「長(chang)」を聴き間違えて、タクシーでとんでもないところに行ってしまったということがあった。
門の外で、「ユエカン」さん*1に倣って、黄牛さんからティケットをゲット。10元。
書展だが、中国の主な出版社がグループ毎に*2ブースを出している巨大な本のバーゲン即売会という感じ。書籍の出版社だけでなく、CDやDVDを出版している音像出版社や電子辞書のメーカー、文房具のメーカーもブースを出している。殆どのものは定価の2割引。また、日本の小学館やOxford University Press、米国のWileyやPrentice Hallといった海外の出版社も、主に翻訳権を売り込むためにブースを出している。展覧としては、魯迅についての展示と昨年逝去した巴金についての展示。特に、巴金は生原稿を中心とした展示の構成であり、興味深かった。
雰囲気としては、最終日のバーゲン会場の雰囲気。
取り敢えず、買ったものを挙げるてみる;


陳映芳主編『棚戸区 記憶中的生活史』上海古籍出版社、2006
顧粛『理想国以後』江蘇人民出版社、2006 
羅岡『想象城市的方式』江蘇人民出版社、2006
許紀霖『回帰公共空間』江蘇人民出版社、2006


 CD
 不一定『期過聖誕』上海音像公司
 竇唯『竇唯譯雨吁』上海音像公司


会場を出て、静安寺裏のCoffee Beans and Tea Leavesで英字新聞を広げていたら、隣に坐って葉巻を銜えていたスキンヘッドの白人がEasy to read?と訊く。
Yes.
Are you Chinese?
No.
Where are you from?
Japan.
アイヤ! ニホンジンナノ?
うん。
ワタシノgirlfriend、ニホンジンダヨ。ニホン、ドコデスカ。
チバ。Do you know Chiba?
Yes, yes.チバ、シッテマスヨ*3Are you livin’ here?
Yes. I living in Shanghai now.
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*1:http://tnkoumei.typepad.jp/china/2006/08/2006_1d51.html

*2:中国の出版業界では近年、急速にコングロマリット化が進んでいる。

*3:管見の限りでは、千葉を知っている外国人は稀有である。多くの場合、日本上陸後初めて歩いた日本領土であるにもかかわらず。Have you read a novel of William Gibson?と訊くことも多い。