Phenomenology as Virus

言語は外宇宙から到来したウィルスといったのは、ウィリアム・バロウズだったか。
酒井さん経由でhttp://kusaiinu.exblog.jp/3678239/を読む;


レトロ・ウィルスは宿主に対して、異他的で有り続ける。つまりアイデンティティを保ち続けるが、RNAを注入することで宿主の組成を変化させてゆく。
同じように現象学が、自然科学の現場で共同作業をした場合、とくに自然科学的な人間記述のもつ還元主義(物理化学現象に還元できないはずの体験を還元してしまう)を拒否しつつ、経験についてのありうべきモデルを提示できる。現在の自然科学のモデルや実験のデザインとは異なる、より経験に即して精緻なモデル・理論的枠組みを提供できるであろう。
 その上で、現象学自身は方法の定義上、自然科学に対する異他性を保持し続けるので、自然科学に吸収されることはあり得ない。
 しかも自然科学のデータは、従来気づいていなかった新たな問題群を現象学に対して提供するので現象学自身も新しい展開の可能性を得ると考えられるのである。
瞬間、ふむふむと思う。ここで念頭に置かれている「自然科学」が具体的にどのようなディシプリンなのかは知らず。ただ、中にはホスト社会に〈同化〉したいという〈成り上がり〉的心性をもつウィルスだっている筈だ。
さて、http://husserl.exblog.jp/ も酒井さん経由の情報。論文がpdfで読めるというのもよきこと。