張化『上海宗教通覧』

 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060206/1139248393でも早速援用したが、この本は凄い! 上海における各宗教の歴史的沿革、施設、団体等を網羅している。資料蒐集に20年近くかかったという労作。総頁数569。


  張化 『上海宗教通覧』上海古籍出版社、2004


序(王生洪)
第一章 概述
第二章 佛教
第三章 道教
第四章 伊斯蘭教
第五章 天主教
第六章 基督教
第七章 其他教
 第一節 理教
 第二節 東正教
 第三節 猶太教
 第四節 錫克教
第七章で記述された宗教は何れも現在の上海には存在しないもの。その中でも「理教」というのはよくわからない。記述によると、戦時中の日本軍への協力に起因するかと思われる解放後の「取締」や教義の「佛教化」によって、教勢は漸次衰弱し、1960年代中葉にはほぼ自然消滅したとされる(p.558)。1958年の段階で「伝教師」数374人。