興膳宏『中国名文選』

ちょっと前に興膳宏『中国名文選』*1を読了した。


序章 中国の文章を読む
第一章 「五十歩を以て百歩を笑わば、則ち何如」――為政者の使命 『孟子』梁恵王篇
第二章 「北冥に魚有り、 其の名を鯤と為す」――飛翔する想像力 『荘子』逍遥遊篇第三章 「夜、漢軍の四面楚歌するを聞く」――英雄凄絶の死 司馬遷史記項羽本紀
第四章 「濁酒一杯、弾琴一曲、志願畢われり」――本音のままに生きる 岱康「山巨源に与えて交わりを断つ書」
第五章 「芳華鮮美にして、落英繽紛たり」――別天地の物語 陶淵明「桃花源の記」
第六章 「物色の動けば、心も亦た揺らぐ」――文学にとって自然とは 劉勰『文心雕龍』
第七章 「天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過客なり」――春の夜のうたげ 李白「春夜 桃李の園に宴するの序」
第八章 「千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず」――人材の発見 「人の世に于いて何如ぞや」――人の世に生きるとは 韓愈「雑説」「殿中少監馬君墓誌
第九章 「見る所無きに至りて、而も猶お帰るを欲せず」――忘れられた自然との出会い」 柳宗元「始めて西山を得て宴游する記」
第十章 「酔翁の意は酒に在らず」――醒めた観察のまなざし 欧陽修「酔翁亭の記」
第十一章 「逝く者は斯くの如くして、而も未だ嘗て往かざるなり」――造物者の無尽蔵 蘇軾「赤壁の賦」
第十二章 「中れば即ち杯を挙げて大笑し、茶傾きて懐中に覆るに至る」――細やかな夫婦愛 李清照「金石録後序」


あとがき
年表

春秋時代(『孟子』や『荘子』)から北宋に至る中国の代表的「名文」の原文、訓読(読下し)、現代語訳及び解釈が提示されている。なお、蘇東坡の「赤壁の賦」以外は全て散文。因みに、第12章で取り上げられた北宋の 李清照は女性である。