Paamul II

田中道子*1「マヤ遺跡大規模発掘」『機』(藤原書店)381、p.18、2023


墨西哥ユカタン半島における大規模な古代都市遺跡の発掘について。


マヤ遺跡が点在するユカタン半島グアテマラ・キンタナルーにかけての密林に広域都市遺跡が存在することは、航空機からのスキャンによってある程度分かっていたが、マヤ高速鉄道工事に伴う大規模な考古学発掘調査によって、今年*2八月二四日現在、五万四千以上の建造物、一九二五の遺物、一二三万以上の土器の破片、六四六人分の人巨骨が発掘され、一三三九か所の遺跡が復元された。
その威容は、中東、インド、中国の巨大遺跡に勝るとも劣らない。貴人の埋葬施設の上に高くそびえたつピラミッドの頂上には神殿が設けられ、周囲に中庭に面して祭祀者・統治者の居室が並ぶ建物や、占いの儀式としての球戯場、工人や遠方の商人が住む区域、農地・菜園などが都市を形成し、都市と都市は、石灰で固めた「白い道」といわれる舗装道路で繋がれていた。高度の技術と複雑な社会構成に支えられた文化が、日本の弥生初期から鎌倉時代に相当する年代に花咲いた。しかし、都市首長間には、紛争が起こり、興亡が繰り返され、スペイン人が来た頃には広域都市は衰退していて、密林に覆われた土地にインディオが分散して住んでいた。
「マヤ高速鉄道*3については、例えば、


「メキシコ「マヤ鉄道」一部開業 リゾート地などつなぐ」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231216/k10014289841000.html


など。
また、この都市遺跡はPaamul IIと呼ばれている;



MND Staff "INAH reports significant archaeological discovery along Maya Train route" https://mexiconewsdaily.com/news/inah-archaeological-discovery-maya-train/
Vittoria Benzine "A Massive Railroad Project in Mexico Has Led to the Discovery of the Ancient Maya City of Paamul II" https://www.artnews.com/art-news/news/ancient-maya-city-paamul-ii-halts-ongoing-railroad-project-mexico-1234639440/
遠野そら「建設中の「マヤ鉄道」ルート上にマヤ遺跡続々発見!」https://web-mu.jp/history/4262/