「ヤマ」を巡る混乱



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ヤマゴボウというのは、小学校の授業で染色に使った記憶がありますね。

洋種山牛蒡のほかに、当然ながら和種というか、在来種の山牛蒡というのがある。洋種の方は、茎が赤っぽいのが特徴なのだが、和の方は普通の緑色であるらしい。らしいというのは、身近にあるのは洋種の方ばっかりで、和種の山牛蒡というのは殆ど見たことがないのだった。洋種も和種も有毒であることには変わりない。
さて、普通のスーパーでも、山菜の漬物として、山ごぼうというのが売られていることがある。実は、山ごぼうの漬物に使われているのは前段で言及した「山牛蒡」ではなく、普通の(金平に使うのと同じ)牛蒡またはモリアザミというキク科の植物の根である。因みに、(普通の)牛蒡もキク科で、ヤマゴボウヤマゴボウ科であり、生物学(植物学)的には全く別系統である;


東京都健康安全研究センター「漬物の「山ごぼう」とヨウシュヤマゴボウ(有毒)」https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_iyaku/plant/yousyuyamagobou/


ただ、「山ごぼう」というのは既にモリアザミの別名或いは俗称として認識されてしまっているので*1、洋種山牛蒡の根っ子を金平とかにして食中毒になるという奴が出ても不思議ではない。また、「山ごぼう」という表記は(有毒である)「ヤマゴボウ」から区別するために用いられているという説もある*2