濁るも濁らぬも

佐倉惣五郎の伯父とされる「迎然」という僧侶。コウゼンと念む*1。PCで書こうとして、kouで変換候補をいくら検索しても、「迎」という字は出てこない。もしかして別の字なのでは? スマートフォンのカメラで拡大したけれど、やはり「迎」である。仕方なく、geiと入力したら容易く変換することができた。
「迎」という字は音読みでは、ゲイ、ギョウ、ゴウ。ゲイは漢音で、ギョウは呉音。濁らずにコウというのは全く思い浮かばなかったのだ。印西市吉高には「迎福寺」という曹洞宗の寺があり、これは「こうふくじ」*2。また、松戸市松戸には「来迎寺」という浄土宗の寺がある。これはライゴウではなく「らいこう」*3。「迎」を濁らないでコウと念む例というのはそれなりにあるものなのね。
ところで、漢和辞典を見ても、「迎」をゴウとかコウと発音する根拠はわからないのだった。因みに、現在のマンダリンではying

*1:See eg. 児玉幸多『佐倉惣五郎』、p.26. Cited in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2023/06/02/133832

*2:http://www.koufukuji.jp/

*3:See eg. 「松戸 来迎寺 水運で栄えた平潟河岸跡に建つ平成の和様寺院」『Ciao』(新京成電鉄)167、p.8、2023.