本を買った。
山内志朗『中世哲学入門――存在の海をめぐる思想史』ちくま新書、2023
今井むつみ、秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』中公新書、2023Julien Green『モイラ』(石井洋二郎訳)岩波文庫、2023中世哲学入門を書き始めました。哲学や論理学が、倫理学や恩寵論や救済論にどう結びついているのか、大雑把でも書いてある本が少ないので、書こうということです。荒っぽい地図でもないよりはよいかと思っております。自分の勉強にもなりますから。
— 山内志朗 (@yamauchishiro) 2021年9月8日
中世哲学入門がやっと6月上旬に書店に並ぶことが決まった。中世倫理学の枠組みもなんとか示せないものか。アリストテレスの倫理学やストア倫理学とは異なる、キリスト教倫理の基本概念となるのは、ヴァルネラビリティ(傷つきやすさ)だと私は思う。ヴァルネラビリティの倫理学の系譜を書きたい。
— 山内志朗 (@yamauchishiro) 2023年5月27日
本日発売の『中世哲学入門』。存在の一義性については、これまでいろいろ書いてきたが、やっと本体に迫ってきたぞ、と実感できた。その機会を与えてもらってありがたい。ギリギリのところまで、考え抜かないと、筋道は見えてこない。楽な道はなくて、それが中世神学者の「生」だったのだ。
— 山内志朗 (@yamauchishiro) 2023年6月8日
今月の新刊、今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。なぜヒトはことばを持つの? 子どもはどのようにことばを覚える? そもそも、ことばの起源って?――言語の本質を探り、人間とは何かに迫る注目作。「おもしろすぎる」「ChatGPT時代の必読書」と早くも話題沸騰、忽ち5万部の大重版となりました! pic.twitter.com/6laf5vekHc
— 中公新書 (@chukoshinsho) 2023年5月30日
『言語の本質』、最高に面白かった。拍手。
— 千葉雅也 Masaya Chiba (@masayachiba) 2023年6月2日
言語発達の基礎にあるのは身体的に感覚がわかる(「接地」している)一部の少数の語彙で、その上に差異の体系としてのより複雑な言語が築かれていくというのは、直感的にそう思ってたけど、なるほどそのブリッジとしてオノマトペを丁寧に分析するというのは納得の研究方針。
— 千葉雅也 Masaya Chiba (@masayachiba) 2023年6月2日
話題の『言語の本質』、オノマトペにアブダクションという好物の話題なのでさっそく読了。説得的。https://t.co/NRPTXhU8yj
— 田中 純 / TANAKA Jun (@tanajun009) 2023年5月30日
幼児が言語修得過程で行なうアブダクションは『1900年前後のベルリンの幼年時代』を連想させる。英語と同じく「衛星枠づけ言語」であるドイツ語を「動詞枠づけ言語」である日本語に翻訳する際のオノマトペの使用について思いつくことあり。アブダクションの刺激をいろいろ受けた。
— 田中 純 / TANAKA Jun (@tanajun009) 2023年5月30日
学習したことを逆の方向に一般化する対称性推論の有無がヒトの幼児とそれ以外の動物を分けるという発見も面白い。ときに誤るにしても推論の可能性を拡げること。逆転したり縦の物を横にしたり裏返したりするアブダクション的思考の必要性。
— 田中 純 / TANAKA Jun (@tanajun009) 2023年5月30日
【新刊】
— 岩波文庫編集部 (@iwabun1927) 2023年5月15日
ジュリアン・グリーン『モイラ』石井洋二郎訳 https://t.co/N6wac7LJWI
ジョゼフは白い肌に赤毛の18歳。人の心を騒がす美貌ながら、極度の潔癖さと信仰心ゆえ周囲に溶け込むことができない。その彼の前に、運命の少女モイラが現れ……。1920年のヴァージニアを舞台にしたグリーンの代表作。 pic.twitter.com/KaWwS8wWuL
今日ようやく書店で岩波文庫から出た『モイラ』(ジュリアン・グリーン/石井洋二郎訳)を購入。初めて読んだのは学生時代、全集版だったが、石井氏による巻末解説を読んでいたら、フランスではグリーンの完全版日記刊行により、「カトリック作家ではなくLGBTへ」と作家の評価軸が変わったらしい。
— 千葉望 (@cnozomi) 2023年5月31日
グリーンが同性愛者であることは知られていたものの、不完全な日記では省かれていた赤裸々なパートナーへの愛の告白、行きずりを含む不特定の男たちとの性愛などが広く知られるところとなったとのこと。初読以降は手にとっていなかったが、これは全く新しい作品として読んだ方が良さそうである。
— 千葉望 (@cnozomi) 2023年5月31日
訳者の詳細な解説が大いに読書の役に立つ。私をグリーンに導いたのは遠藤周作のカトリック文学に関するエッセイだったが、それも一部収録されている。遠藤さんが完全版日記を読んだらなんと言っただろうか。
— 千葉望 (@cnozomi) 2023年5月31日
ところでグリーンは1998年まで生きていたことを知った。享年97。ほぼ1世紀を生きたのだね。