前と後

K’s Jazz Days*1クリント・イーストウッド: 父親たちの星条旗硫黄島からの手紙 (2006) 」https://dailymusiclog.hatenablog.com/entry/2022/02/19/200233


クリント・イーストウッド硫黄島二部作*2、『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』を巡って。


映画の仔細に語るコトバはないが、両方観てはじめて感じたことがある。米国にとって、硫黄島は戦後に連なる体験であって、戦史としての硫黄島ではなく闘った人間の戦後史である、ということ。日本にとっては、それは断絶した大日本帝国の失われた体験であって、それを米側から再生させたもの、であるということ。日本にとって、遠い過去になっている。帰還兵は多くなく、そして黙していたのであろう。
確かに『硫黄島からの手紙』は「硫黄島」の破局をクライマックスとした〈前史〉であり、『父親たちの星条旗』は「硫黄島」の制圧を出発点とした〈後史〉だった。