ロバート・A・ダール『ポリアーキー』に曰く、
??と思ったのだが、原書の刊行は1972年。つまり、アウグスト・ピノチェト*1のクーデタ以前だった(クーデタの勃発は1973年9月)。
(前略)今日、ポリアーキーの可能性は、市民の側ばかりでなくあらゆる階級の軍人の間の、ある信念の力に直接依存しているということである。このようなわけで、軍隊が伝統的に政治的領域へ介入することを嫌ったチリでは、ポリアーキーが可能になった。一方、隣国のアルゼンチンでは、軍の指導者が選挙結果をアルゼンチンにとって悪い兆候であるとみなす時は、いつでも無効にする権利と義務があるという信念を抱いている限り、ポリアーキーは不可能なのである。(p.84)
「ポリアーキー」とは「高度に包括的で、公的異議申立てに対し広く開かれた体制」、「かなりの程度民主化され、かつ自由化された体制」である(p.16)。
*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090616/1245114543 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100712/1278894145 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110124/1295898980 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130315/1363340364 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130413/1365822782 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140913/1410571671 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150122/1421931793 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160603/1464969557 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160820/1471621241 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20161107/1478484722 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20161126/1480166352 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/06/15/112057