共同通信の記事;
昨年の11月に慶應義塾大学の先生が「下着」を盗んで逮捕されるということが起こったのだった*1。ただ、これは偶々「市川市のアパート1階のベランダに干してあった女性用下着2点を盗んだ」ということで*2、この神奈川大学の先生の事件とは性格が全然違う。こちらの方は寧ろストーカー事件というべきだろう。
下着窃盗疑いで元准教授を逮捕
教え子女性宅に侵入、警視庁2020/11/7 08:48 (JST)11/7 11:41 (JST)updated
教え子の20代女性の自宅に侵入し下着を盗んだとして、警視庁志村署が住居侵入と窃盗容疑で、東京都品川区南大井、神奈川大元准教授岩下仁容疑者(41)を再逮捕していたことが7日、同署への取材で分かった。
再逮捕容疑は、2月下旬~3月上旬、東京都板橋区の女性の自宅に侵入し、下着1点を盗んだ疑い。
同署によると、岩下容疑者は昨年7月、当時勤めていた別の大学の教え子だった女性を都内の喫茶店に呼び出し、女性が席を外した隙にバッグから鍵を盗み、合鍵を作成したとみられる。下着がなくなっていることに気付いた女性が署に相談。同署は鍵の窃盗容疑で10月6日に逮捕していた。
https://this.kiji.is/697593882861126753
下着というのは換喩的にその所有者(着用者)の性器、さらには人格全体を意味してしまう。だから、特定の人物の「下着」を入手するということは、その本来の所有者の身体や人格を象徴的・呪術的に支配することに繋がる。そういう意味では、この「下着窃盗」はストーカー行為全体の隠喩になっている!
ところで、この岩下先生のプロフィールは既に神奈川大学のサイトからは削除されている*3。「元准教授」になったのは10月の最初の逮捕の時点だろうか。但し、科研費のサイトには当然岩下先生の情報は残っており*4、そこから推測すると、「当時勤めていた別の大学」というのは九州大学である。また、「日経ビジネススクール」の講師でもあったらしいが、こっちの方はまだ九州大学のまま;
かなり長いストーカー歴を想像させるが、被害者は自宅に侵入されて下着を盗まれるまで、加害者の犯意に気づかなかったわけだ。
早稲田大学商学部卒。同大学大学院商学研究科修士課程、ならびに、博士後期課程修了。博士(商学)。花王、野村総合研究所、早稲田大学商学学術院助手を経て、現在、九州大学大学院経済学研究院専任講師。
https://school.nikkei.co.jp/lecturer/article.aspx?tid=NBSAYU
*1:時事通信「慶応大教授を逮捕 下着盗んだ疑い―千葉県警」https://www.jiji.com/jc/article?k=2019111800349&g=soc 朝日新聞デジタル「下着窃盗容疑の男は慶応大教授 大学「事実確認し対処」」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191118-00000018-asahi-soci Cited in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/11/20/104454
*2:」https://www.jiji.com/jc/article?k=2019111800349&g=soc
*3:https://kenkyu.kanagawa-u.ac.jp/kuhp/KgApp?kyoinId=ymdmyygeggy https://www.econ.kanagawa-u.ac.jp/faculty/seminar/iwashita_hitoshi/