「珈琲」という漢字表記の起源を巡って。
そう言えば「珈琲」と言う漢字は、津山藩の蘭学者 宇田川榕菴(うだがわ ようあん)が発案したもので、コーヒーの赤い実がかんざしに似ていたので、髪に挿す花かんざしの意味の「珈」と、かんざしの玉を繋ぐ紐の意味の「琲」を合わせて「珈琲」と名付けたんだとか。なんだか美しい名前だな。 pic.twitter.com/8kr8qoyUaQ
— Green Pepper (@r2d2c3poacco) 2020年9月18日
しかし、即座に否定されている;
「珈琲」は、ただの音訳です。かんざしが云々というのは、後人による根拠のない妄想です。 https://t.co/9NbtO75DnX
— 字源(漢字の成り立ち)を呟くアカウント (@kanji_jigen) 2020年9月19日
問題は、どちらも典拠が示されていないということだろう。宇田川榕菴のどんなテクストにそのことが書いてあるのか。また、「後人による根拠のない妄想」という場合、「後人」とは具体的に誰のことなのか。
「珈琲の漢字の由来は❓ご存知ですか❓知りませんでした〜❗️ 津山は珈琲の街:故郷 ‼️」https://blog.goo.ne.jp/kix1855/e/34fd17357c933d305a49ab38dbc1460b
というblogエントリーは上掲のツィートの説を詳しく展開しており、寧ろこのツィートの元ネタなんじゃないかと勘繰ってもしるのだけど、これも典拠レス。
ところで、中国語では「咖啡」。「咖啡」と「珈琲」の関係も気になるところだ*1。因みに、「咖啡」のくちへんは「ただの音訳」であることを示しているのでは? 「咖啡」はマンダリンではkafeiと発音する。しかし、中国人でも非中国人でも、これをjiafeiと発音したことがある人はいる筈だ。加はjia、Canada(加拿大)はjianadaだからだ。
*1:See eg. ffi「誰が「珈琲」をつくったのか?#珈琲咖啡探索隊 (ダイジェスト版)」https://togetter.com/li/866844