黒木亮「初検証・これが小池百合子氏のアラビア語の実態だ そのカオスと稚拙さに思わず赤面した!」http://blogos.com/article/307372/
『文藝春秋週刊文春』は最近小池百合子は実はカイロ大学を卒業していないんじゃないかという学歴詐称疑惑をプッシュしている。上掲の記事はその一環。
そこで氏がどの程度のアラビア語を話しているかを調べるため、原稿をあまり見ないで話している下記の3つの動画を選んで検証した。結論から言うと、小池氏のアラビア語は「ハチャメチャ」である。一緒に動画を見てもらったロンドン在住のエジプト人ジャーナリスト(1980年代にカイロ大学の英語科を卒業)の感想は「これはStreet Arabic。エジプトで生活したかもしれないが、大学で学んだ人のアラビア語では絶対にない。日本で6か月やった程度のレベル」。
黒木氏がいう「ハチャメチャ」さとは「フスハー」と「アンミーヤ」の混用のことを指す。
説明の前提としてアラビア語には2種類あることを憶えておいて頂きたい。一つは正則アラビア語(フスハー)という格調高く美しい万古不変の言葉で、アラビア語圏で普遍的に通じる。コーラン、政治家の演説、テレビのニュース番組などは正則アラビア語である。本、雑誌、手紙、大学の試験の答案など、アラビア語が文字で書かれる場合は、すべて正則アラビア語を用いる。したがってアラビア語圏の大学を卒業するためには、正則アラビア語の会話、読み書きに堪能でなくてはならない。もう一つのアラビア語は、人々が日常話している口語(アンミーヤ)で、アラビア語圏でも地域ごとに異なる。市場でおばちゃんがわめいたり、道で子どもたちがサッカーをしたり、家族や友人同士が世間話をするときなど、生活の幅広い場面で使われる。
かつて、小池百合子のことを「与野党を問わず、アラビア語ができる日本で唯一の政治家」と書いたことがあるけれど*1、そうではないの? でも、カダフィやアラファトにインタヴューしたことがあるんじゃないの?*2 それはどうなの? また、やはりカイロ大学に留学していた中田考氏は埃及で彼女に会ったり、アラビア語を聴いたりしたことはなかったのだった*3。
*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150213/1423756575
*2:See eg. http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B1%A0%E7%99%BE%E5%90%88%E5%AD%90
*3:See 週刊新潮WEB取材班「小池百合子の“カイロ大首席”は嘘? イスラーム学者・中田考が語る「彼女は中東人」」https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171012-00531439-shincho-pol http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171012/1507824530