八つ当たり?

朝日新聞』の記事;


僧侶を投げ飛ばし「礼拝所不敬容疑」で逮捕 檀家の男
高井里佳子2018年6月9日13時41分


 茨城県茨城町の寺で仏具を壊し、僧侶にけがをさせたとして、水戸署は6日、鉾田市紅葉の無職の男(48)を器物損壊と傷害、礼拝所不敬の疑いで逮捕した。男は寺の檀家(だんか)で、寺の仕事ぶりが不満だったという趣旨の供述をしているという。

 署によると、男は先月10日午前8時40分ごろ、寺を訪れ、読経などの際に使う直径約60センチのけい子を木製の棒でたたいてへこませた後、男性僧侶(67)の胸ぐらをつかんで投げ飛ばし、約1週間のけがをさせた疑いがある。

 礼拝所不敬罪は刑法で定められ、神祠(しんし)や仏堂、墓所などで公然と礼儀に外れた行為をした者は6カ月以下の懲役か禁錮、または10万円以下の罰金となる。水戸署によると、県警が過去10年に同容疑で検挙したケースは3件だけという。

 被害にあった寺の住職(42)は朝日新聞の取材に、「礼拝所不敬という罪は全く知らなかった」と話した。男は当時酒に酔った状態で「俺が住職になるから出て行け」などと言いがかりをつけてきたという。住職は「信仰の場所で、無礼なことをするのは見過ごせない」と立腹した様子だった。(高井里佳子)
https://www.asahi.com/articles/ASL6756VNL67UJHB00F.html

先ず、ちゃんと「磬子」と加計よ書けよ< 高井里佳子 「けい子」を読んだ人の多くはケイコって何処の娘だよ? と思ったのでは? 
ところで、「磬子」はケイスまたはキンスと念む。唐音。それは元々禅宗で使用されていて、後に多宗派にも広まったということと関係があるらしい*1
でも、色々と素朴な疑問はあるよ。直接の被害者である「男性僧侶(67)」は「住職(42)」とは別人であるわけでしょ? 関係は? まあ、「男性僧侶」というのも変な表現ではある。普通、「僧侶」といえば「男性」であって、女性の僧侶のことを尼僧というのではないの? また、容疑者についても、例えば或るレストランに不満があってそのレストランに殴り込みをかけた客が俺がシェフになるから出ていけ! というだろうか。しかも、攻撃の対処になったのは「住職」ではなくほかの坊さん。これって八つ当たりじゃん!
ところで、米国のプロテスタント教会において牧師は一般信者によって構成される理事会に雇われた専門職にすぎない。だから、理事会の決議によって常に更迭可能である。一方、日本仏教の場合は、明治以降、寺の家業化(自営業化)が進んでいるが、実際は有力な檀家に支配されているということが少なくないだろう。「俺が住職になるから出て行け」と言った男が檀家の中でどのような地位にあるのかはわからない。
礼拝所不敬罪」については過去に幾度か言及している*2