異議申し立てする「学会」

宮原れい*1「フジ「嫌われる勇気」に日本アドラー心理学会が抗議 放映中止・脚本見直しを要求」http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1702/12/news032.html


曰く、


日本アドラー心理学会*2が、現在放送中のフジテレビ系ドラマ「嫌われる勇気」*3に対する抗議文をホームページに掲出*4。ドラマの内容に対して問題点を指摘し、放映の中止または脚本の見直しを求めていたことがわかりました。

問題点の一例として、“勇気”は“共同体感覚(他者と共同し協力して生活する能力)”と関係すると理解されているが、同ドラマの中では「『私はただ、感じたことを口にしているだけ』と言っている主人公を『ナチュラルボーンアドラー』として、『相互理解のための努力』や『一致に到達する努力』や『意見や信念を分かちあうための努力』の側面を放棄しているように見受けられます』」と指摘。

 さらに専門家の意見として同学会所属のアドラー心理学指導者・野田俊作氏の言葉を引用。「自分の行為の結果が他者にどういう影響を与えるかについて、いつも配慮をしなければならないと思います。ドラマの中の考え方には『他者の利害』という見方が完全に欠落している気がします」として、アドラー心理学ではないという結論を示しています。

このドラマの原作は岸見一郎という「哲学者」の『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』という本。要するに、岸見氏のアドラー解釈が「学会」が体現している標準的な解釈とは相容れないということか。さて?

今度は「日本臨床薬理学会」。
『日刊スポーツ』の記事;


日本臨床薬理学会、TBS「ブラックペアン」に抗議
記事提供:日刊スポーツ
2018年5月4日


 日本臨床薬理学会が、放送中のTBS系ドラマ「ブラックペアン」内の描写が事実と大きく異なるとして、抗議文を発表した。

 「ブラックペアン」は、海堂尊による小説を原作とした、二宮和也主演の医療ドラマ。日本臨床薬理学会のフェイスブックアカウントは2日、TBSに送付予定の抗議文の内容を公表した。

 同ドラマ内には、加藤綾子演じる治験コーディネーター(CRC)が登場するが、実際の職務内容とは大きく異なるなどと指摘している。

 まず日本臨床薬理学会は、製薬会社と契約するCRCは存在しないと説明。また、「ドラマの演出上、登場人物の行動は、治験コーディネーターの本来の業務とは異なるものも含まれていますと断られてはいますが、第1話、第2話で描写された治験コーディネーターの姿は、現在、患者さんのために、医療の発展のために真摯(しんし)に努力しているCRCの心を折り、侮辱するものであったと感じます」と厳しく批判した。

 さらにCRCが担当医師を高級レストランで接待する描写や、患者の負担軽減費に関する説明も事実と異なると断言。「これらのことは、ドラマの演出上という言葉で片付けられないと私たちは考えます。日々、患者さんに相対しているCRC達が、医師達に高額の接待を行い、人によっては高額の負担軽減費を支払っていると誤解されることはCRCを認定している学会として残念でなりません」とコメントした。
http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cfettp01805048110.html

原作者の海堂尊はたしか医師の筈だったけれど。